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黒岩常祥特任教授が日本植物学会大賞を受賞

2008.10.20

理学研究科の黒岩常祥特任教授は、先月高知大学で開催された第72回日本植物学会大会(第1回は明治15年)において、2008年度日本植物学会大賞を受賞し、「ミトコンドリアと色素体の増殖と遺伝の機構をマス・ゲノム科学で解く」の題名で受賞講演を行いました。
黒岩教授の専門は、われわれの身体を構成する細胞(真核細胞)の誕生、構築、及び増殖の基本原理を探求し、その基礎成果を応用する細胞科学です。同教授の業績は、ほとんどすべての生物の生存を支える「ミトコンドリア(細胞内エネルギー産生器官)」と、「葉緑体・色素体(植物の機能中心)」の分裂装置の発見と、それらの分裂機構の解明、及び遺伝(母性遺伝)のしくみの解明にあります。
また、こうした研究を推進するためには、研究に適した研究材料の選択と新技術開発が重要と考え、研究をしやすい、よりシンプルな生物を求めて探索し、ついに細胞が誕生した原始地球に近い極限環境に棲息する、原始紅藻Cyanidioschyzon merolae (シゾン)を探し出しました。そしてこのシゾンを使って、研究の基盤となる全ゲノムの100%解読に成功しました。これは世界で初めて真核生物の全設計図が解読された例となり、そのゲノム情報は世界に発信され、食糧、医療、環境など、様々な生命科学の分野で役立ってきています。

<受賞された黒岩教授より>
「今年は、日本人の方が4名もノーベル賞を得たのですから、わが国として今世紀で最も記念すべき年になるでしょう。そう言えば、益川先生は本当に素直な科学者らしい方ですね。最初の記者会見では、受賞を嬉しくないような発言をされていましたが、これは先生流の深い意味でだと思います。またその時、先生の興味が現在では素粒子から少しずれているようなことをおっしゃったので気になっていました。ところが、先週の日曜でしたか、NHKのインタビューに答える際、「ミトコンドリアの謎」(河野重行 東大教授著)を差し出していらっしゃいました。同分野で長年研究を続ける者の一人として大変驚くとともに嬉しく思いました。」

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