2008.05.01
本学極限生命情報研究センター長、理学研究科の黒岩常祥特任教授は、2008年春の褒賞発令において、紫綬褒章を受章しました。
※紫綬褒章は、科学技術分野における発明・発見・創作や、学術及びスポーツ・芸術分野における優れた業績等に対して授与されます。
黒岩教授は、永年にわたって細胞構築の基本原理を細胞生物学的に研究し、細胞誕生の鍵を握り、ほとんどの生物の生存を支えている細胞内のエネルギー変換器「ミトコンドリア」と「葉緑体」の分裂増殖に必須な分裂装置を発見し、その仕組みを解明しました。
増殖したミトコンドリアと葉緑体の遺伝子は、受精の際、母親の形質のみが子に伝達される「母性遺伝」であることが知られていました。しかしその仕組みは明らかではありませんでした。黒岩教授は、母性遺伝が、受精前後の一連の化学反応による「雄由来のゲノムDNAの選択的分解」が原因で起こることを発見し、これが全ての生物に共通の母性遺伝の仕組みであることを証明しました。
更にこうした研究を発展させるため、真核生物の「基」となる極限環境に生息する原始紅藻(シゾン)を探し出し、ゲノム解読を行い、昨年真核生物のゲノムとして、世界ではじめてとなる100%解読に成功しました。
現在シゾンは細胞研究のモデル生物となり、シゾンとそのゲノム情報は、立教大学極限生命情報研究センターを発信基地として、日本の研究機関はもとより、分子生物学の発祥地イギリスのケンブリッジ大学の研究所をはじめ、世界の多くの大学、研究所でも利用されており、構造生物学、医科学的研究の他、温暖化、砂漠化など環境変動に耐性の植物の作出など環境科学の分野でも貢献しています。
※この件に関するお問合せは、立教大学理学研究科黒岩研究室(03−3985−4592)まで
(2008.5.1掲載)