現代文明学領域(科目群)

現代文明学においては、境界の希薄化と多文化状況がふくみもつ諸問題を理念的かつマクロ的に扱うことを目指しています。

境界とは、長い間、地域や国の境を意味していました。そして境界とは比較的安定した制度を象徴していました。ところが近年は、ボーダーレスやグローバリゼーションという用語で言い表わされているように、地域や国の境の安定性は低下し、境界が希薄化するという現象が進んでいます。このような境界の希薄化によって生みだされる問題群は、経済や政治の分野ばかりでなく、文化の分野においても、またもっと私的な人間関係の領域においても真剣に検討されるべき深刻さをもって出現しつつあります。

しかし、境界の問題は、いわゆる地理的な境界の問題にとどまるものではないこが、いまやますます明らかになりつつあります。これまで意識化されることの少なかった別種の境界すなわち男と女、親と子、公と私、内と外、心と身体、主体と客体の間での境界などの問題が、いま人々の意識に急激に浮上し、同時にそうした境界の希薄化、曖昧化をも痛感するような状況に現代社会は立たされています。

問題領域の越境はそれを扱う学問方法論にも影響を与えます。新しい問題を主題化するためには、それに相応しい学問方法論が必要になります。その意味で、比較文明学専攻では思想的研究をも重視しています。西洋哲学的方法や社会学的方法、比較文化論的方法論はもとより、東洋哲学的方法や異文化間交流の方法論などをもしっかりと身につけ、現代思想と積極的に交差することにより、従来の学問領域を越える事象を、それそのものとして捉えることが可能になります。

現代文明学領域(科目群)は、政治や経済から文化、世界観、さらには人間の親密空間に至るまでを縦断する「境界問題」を個別的かつ具体的に検討することを内容としています。

【研究指導責任教員】
阿部珠理/林文孝※/佐々木一也/片上平二郎

※2013年度後期研究休暇


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