TOPICS 2009/12/11
アエラ・イングリッシュ5周年記念イベント「地球語としての英語とは?」
講師:鳥飼 玖美子(本研究科教授)
主催:アエライングリッシュ 共催:立教大学

更新履歴 2009/11/30
2009年度 公開講演会第4回
「第一部 地域言語は国際語になりえるかー国際化と言語選択、第二部 国際語としての英語:アジアの視点」
情報を追加しました。

更新履歴 2009/10/29
2010年度入学試験(春季実施分)入試要項情報を追加しました。

更新履歴 2009/09/30
2009年度 公開講演会第3回
「環境と文学のあいだ7:自然とともに在ること」
情報を追加しました。

TOPICS 2009/09/24
博士課程後期課程 2010年度入学者対応AIIC STCS資格審査の申込を開始しました。
AIIC STCS資格審査
URL:http://aiic-rikkyo.org/application/exam/index.html

更新履歴 2009/09/17
2010年度 進学相談会のご案内
2009年11月28日(土)⇒ 詳細はこちら
場所:立教大学池袋キャンパス 11号館

更新履歴 2009/07/21
2009年度 公開講演会第2回
「第一部 翻訳学への招待、第二部 日本の近代化に翻訳が果たした役割」
情報を追加しました。

更新履歴 2009/5/26
2010年度 異文化コミュニケーション研究科博士課程前期課程 募集要項(2009年秋季試行分)

更新履歴 2009/05/25
2009年度 公開講演会第1回
「エコロジーの視点からみた異文化コミュニケーション
情報を追加しました。

更新履歴 2009/04/30
2009年度 進学相談会のご案内
2009年7月25日(土)13:00〜17:00 ⇒ 詳細はこちら
場所:立教大学池袋キャンパス 太刀川記念館

更新履歴 2008/04/01
立教・異文化コミュニケーション学会第6回大会の情報をアップしました。

更新履歴 2009/03/27
2009年度カリキュラム教員一覧のページを更新しました。

TOPICS 2009/03/12
異文化コミュニケーション研究科博士前期課程
行森まさみさん、2008年度ELEC賞受賞

>>(ELEC(エレック)英語研修所のWEBページはこちら)

TOPICS 2009/03/04
[asahi.com]異文化コミュニケーション研究科紹介リンク
社会人のための大学院・専門職大学院特集、社会人インタビュー Vol. 7:森本高司さん

TOPICS 2009/03/04
[asahi.com]異文化コミュニケーション研究科紹介リンク
立教ジャーナル Vol. 8 ニュースの視点 「環境問題に文学はどう貢献できるのか―『エコクリティシズム』が提示する新しい視点」

TOPICS
異文化コミュニケーション研究科紹介リンク
[週刊STオンライン] 『世界の英語教室 (小学校)』 「日本の小学校英語活動・番外編」

TOPICS
異文化コミュニケーション研究科紹介リンク
[asahi.com]VISION立教大学の改革と挑戦

 
リサーチワークショップ

「持続可能な未来」にむけて:異文化コミュニケーション研究科の挑戦

はじめに

 今日、人類は、史上類を見ない物質的豊かさを手にしたかのように見えます。しかし、そのことが、経済格差、人権、平和、環境といった緊急の問題を引き起こしていることも、また事実です。これらの問題の解決には、自らの文化や、人間の利益のみをただやみくもに追求するような、偏狭な思考からの脱却が不可欠ですが、それに加えて重要となるのが、「異なる者同士をつなぐ」という意味での、「異文化コミュニケーション」です。
上に挙げた諸問題は、個々に独立して起こっているのではなく、それぞれが密接に関わり合っています。そして、これらの問題が実際に起こっている世界の各地域には、それぞれの地域における長年の歴史や民族性によって蓄積された「文化」が存在しています。すなわち、異文化への理解と想像力、そして、そこに生きる人々とのコミュニケーションを欠いたまま、貧困、人権、平和、環境といった現代社会が抱える諸問題の解決を図ること自体、大きな矛盾を孕んでいると言えるのです。

 今後、異質な他者同士が共存していくためには、文化の重要性を強く認識し、各地域の政治的、社会的、歴史的、そして文化的な文脈の中で、広く問題を捉え直していくことが必要となります。また、このような視点に立つならば、これまで「人間のための資源」として認識しがちであった自然環境を、「異文化」の重要な構成要素として捉え直し、「人と自然とのコミュニケーション」という新たな方向性を追求することも、環境問題について考える上での大きな糸口となっていくはずです。

「持続可能な未来」

 2002年のヨハネスブルグ・サミットにおいて、日本政府がNGO/NPOと共同提案し、実施が決議された「国連持続可能な開発のための教育の10年(ESDの10年)」が、2005年度よりスタートしました。今日、「持続可能な開発」という課題は、環境のみならず、経済、政治、社会の4側面を包括するものとして提起され、環境保全、適切な開発、民主主義、多文化共生、平和・平等・人権といった広範な要因を視野に入れた、地球の未来を総合的に検討する課題として捉えられています。
「持続可能性」という課題にとって、狭く人間同士の関係にとどまらず、自然と人との関係性までを含んだ「異文化コミュニケーション」が大きな役割を果たすことは、言うまでもありません。言い換えるならば、自然環境をも含めた〈異質な他者との相互作用〉に関する学問分野としての「異文化コミュニケーション学」は、「持続可能な未来」という視点を獲得することによって、21世紀の地球社会に貢献することができるものとなります。
2002年に立教大学に誕生して以来、異文化コミュニケーション研究科では、「学際性」「理論と実践の統合」「分野横断性」をキーワードに、「異文化」「環境」「言語」「通訳翻訳」の4つのコミュニケーション領域を設け、多岐にわたるコミュニケーション現象を視野に入れた「異文化コミュニケーション学」の再構築に挑んできました。同時に、本研究科は、これら4領域をつなぐことのできる理念を模索してきたといえます。

  このたび、本研究科は、「持続可能性」という、最も先進的な課題を、研究・教育課題の中心に据えることで、「異文化」「環境」「言語」「通訳翻訳」の4領域をつなぐ一本の糸を得ました。そして、平成17年度、本研究科による教育プログラム「持続可能な未来へのリサーチワークショップ ─ 異文化コミュニケーション学構築をめざして」が、文部科学省『「魅力ある大学院教育」イニシアティブ』に採択されました。これを受けて、本研究科の研究・教育課程は、「持続可能な未来へ向けた異文化コミュニケーション学の創生」を新たな目標として、「リサーチワークショップ(Research Workshops: RW)」科目群を核としながら、大きく整備・改編されることになります。


「リサーチワークショップ」の基本理念、そして新たな取り組みへ

「リサーチワークショップ」とは?

 異文化コミュニケーション研究科では、創設時より、分野横断的なカリキュラムの提供をめざし、「異文化」「環境」「言語」「通訳翻訳」の4つのコミュニケーション領域において、それぞれ「リサーチワークショップ(RW)」科目を展開してきました。一般に、「リサーチ」は「理論」を、「ワークショップ」は「実践」を扱うものであると、分けて考えられていますが、本研究科の核となる科目名を「リサーチ & ワークショップ」とせず、「リサーチワークショップ」とすることの根底には、「臨床の知」という基本理念があります。中村雄二郎(1992)によれば、「臨床の知」とは、「個々の場所や時間のなかで、対象の多義性を十分考慮に入れながら、それとの交流の中で事象を捉える方法」です。そこでは、実践は「理論の源泉」であり、理論は現実からの挑戦を受けて鍛えられることになります。つまり、「リサーチワークショップ」とは、理論と実践を分離して考えるのではなく、実践と理論の間を架橋し、問題や出来事が起こる「コンテクスト」を常に考慮に入れた、往還的な思考と行動力を育成する場にほかならないのです。

新たな理念、新たな取り組み

 今年度より、これまでも異文化コミュニケーションを広い視野から捉え直す場としての役割を果たしてきたRW科目は、「持続可能な未来社会を構想する」という新たな理念の下、「リサーチワークショップ・システム」として再編・体系化され、本研究科におけるより組織的な教育課程の中心的担い手として、本格展開されます。

具体的には、「実践リサーチワークショップ(Research Workshops, Practice: RWP)」「理論リサーチワークショップ(Research Workshops, Theory: RWT)」「ドクター・リサーチワークショップ(Doctoral Research Workshops: DRW)」の3つのワークショップを新設し、専門性に自足することのない複眼的な視野、および実践的関心を基盤とする理論形成能力の育成を目標としながら、学生の新たな「問題の発見」=創発性を積極的に支援していきます。

実践リサーチワークショップ

 「実践RW」は、実践に根ざした総合的な研究能力の涵養を目的とし、「フィールドワークRW」と「領域横断RW」の2種類によって構成されています。
「フィールドワークRW」は、授業等で学んだ理論を基礎にした、領域別のフィールドワークです。例えば、「異文化コミュニケーション」領域では、アジアからの研修生と寝食を共にし、国際共通語としての英語を使用しながら、多文化共生社会について模索する参加型学習、「環境コミュニケーション」領域では、知床、屋久島、水俣、白神など日本各地を実際に訪れ、環境問題の具体的な姿と課題を体験するワークショップ、「通訳翻訳」領域ならば、コミュニティ通訳現場での体験学習などが挙げられます。

 また、「領域横断RW」の具体的な内容としては、学会運営、紀要編集、出版企画、国際会議主催などを通してプロジェクト運営能力を高める「プロジェクト・マネジメント」、企業やNGO活動など、国内外におけるコミュニケーション現場での実務体験から学ぶ「インターンシップ」、海外の大学や研究機関と連携し、海外研修の場を提供する「海外研修」などが挙げられます。いずれのRWにおいても、自らが基盤とする領域に立脚しつつ、その枠組みだけにとらわれない、柔軟な思考力と実践力を育成することがねらいとなっています。

理論リサーチワークショップ

 研究能力の修得とその基礎となる知の内実化を培うことを目的とした「理論RW」は、基礎理論を集中的に学ぶ「理論研究RW」と、調査分析法・論文作成法などを学ぶ「方法論研究RW」の2種類によって支えられています。
「理論研究RW」は、各学問分野の基礎理論を理解するだけでなく、それらの批判的解題を軸にしながら展開されます。

「方法論研究RW」では、これまで共通専門科目として設置されていた「社会調査法1・2」「論文作成法」の授業内容が統合・再編され、質的分析方法、量的分析方法、論文作成法の習得から、データ収集・分析、レポート執筆に至るまで、具体的な研究方法の基礎を学びます。研究の段階を丹念に辿り、それをミニリサーチとして結実させることで、目の前の事象を多角的に捉え、その成果を学術的な論文に仕上げていくための、どの分野の研究者にも必須の能力を養成します。

ドクター・リサーチワークショップ

 社会人が70%を占める本研究科では、後期課程へ進む院生においても社会人が大きな割合を占めます。「ドクター・リサーチワークショップ」は、多彩な現場に身を置きながら、先端研究を含む知識面を補強しつつ、経験知の理論化を図る院生のサポートを研究科として組織・体制化したものです。実践の場から理論へ接近し、実践へ向けた理論の再構成を思考するアカデミック・トレーニングを、先端的理論研究、国内外でのフィールドワーク、国際学会での発表など、様々な場において支援し、世界的に活躍する資質と能力を備えた研究者を養成します。


本研究科が目指す研究者像

 異文化コミュニケーション研究科では、「持続可能な未来」という研究教育理念を支柱とすることで、これまでの異文化コミュニケーション学の枠組みを大きく拡大し、それを高度の理論性と多様な実践性を併せ持つ、新しい学術研究として再編成することをめざしています。同時に、実践を理論化し、理論を実践に向けて構築する能力・思考を備えた「臨床の知」を育み、「持続可能な未来社会」を提唱し、実現させることのできる人材の育成を目標としています。その姿勢は、本研究科における博士前期課程の修了要件として、修士論文以外に、自らの課題設定により具体的成果創出をめざす「課題研究」、そしてRW科目履修を基盤とする「リサーチワークショップ・ポートフォリオ」(2007年度以降実施予定)など複数の選択肢が用意されていることにも大きく反映されています。

  持続可能な未来をめざす地球社会において、多岐にわたるコミュニケーション現象を超領域的に解明できる人材の育成は急務です。しかし、そこで必要とされるのは、従来型の大学院において一般的な、「学問のための学問を追求する研究者」ではありません。異質な他者との相互作用に光を当て、社会的現実と実践に連繋しながらそれを理論化し、そこに形成される社会構想を現実化する能力を持った「行動する研究者」こそが、今日求められています。本研究科では、異文化コミュニケーションの現場を抱える、国際機関やNGO、あるいは一般企業においても主導的な立場に立ちうる研究者の養成を通じて、「持続可能性」という喫緊の地球的課題に積極的に取り組んでいきたいと考えています。

参考文献
中村雄二郎(1992)『臨床の知とは何か』 岩波書店