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院生の声

院生の声(1) 2015年度前期課程入学


どんなきっかけで立教大学大学院フランス文学専攻に来ることになりましたか?
もともと舞台とくにバレエが大好きで、本場の舞台を現地の劇場でたくさん観たいと思い学部3年時に演劇の都フランス・パリへ1年間の私費留学をしました。フランスのみならずロンドン、ミラノをはじめとしヨーロッパじゅうの劇場や美術館に足を運び、生の芸術を体感したこの経験は、私の知への欲求をよりいっそう高めました。しかしながら、当時の自分の語学力では出来る学びも限られ、帰国してからの1年半という学部での時間もそれを満たすには到底足りず、はがゆさが残っていました。
学部時フランス文学の授業と並行し学芸員課程も履修していた私は、将来この資格が活かせる仕事、もしくは舞台芸術業界で働くことを目標としています。学芸員として高い専門性を要する修士号の取得は必須であると感じたこと、そして学生生活を締めくくる上でやりきったと実感できるところまで学びを続けたいと思ったことが、大学院進学を決意した理由です。
大学院進学にあたり、さらに深い学びを続けていきたいという想いばかりが先走り、実際に何を研究の中心に据えるか自分の中に迷いがありました。学部時代から慣れ親しんだ環境やすでに教えを乞うていた先生方がいらっしゃる本校は、模索しながらの私には自分を見つめながら勉強を続けられる場所だと感じましたし、多様な分野の専門家がいらっしゃるという点で、より専門的にかつ幅広く学べることが一番の魅力でもありました。

何を研究していますか?
18世紀の劇作家マリヴォーを研究しています。彼はフランス18世紀を代表する劇作家であり、フランスの教科書に必ず出てくる人物なのですが、日本では殆ど知られていません。マリヴォダージュと呼ばれる洗練された文体で繰り広げられる彼の劇作品では、身分や金銭的な問題が絡まりながら、複数の男女の恋愛感情が描かれます。心のうちから湧き上がってくる感情と外的な障害や自身の意地などの間で悩みもがく登場人物たちの姿は時に滑稽で、しかし人間味溢れどこか愛らしく感じられ、マリヴォーの作品には現代人にまで通じる普遍的な問いが含まれていると感じています。18世紀の華やか、そしてギャラントリーでコケットリーな世界観にも惹かれ、この劇作家を選びました。

授業はどうでしょう?
 各世紀の専門家がいらっしゃる立教では、様々な立ち位置で自分の研究対象を見つめる機会が与えられます。専門性を突き詰めて研究を進めていくだけでなく、時に自分の研究を俯瞰したり、全く違った研究を行っている先生及び学生と議論することで、自分ではとても想像できなかった発見をすることができます。私の研究対象であるマリヴォーは一時文学史の中に埋もれ、20世紀に入り新たな視点から再評価された劇作家の一人です。過去とのつながりからの演劇分析から現代思想の視点も入れ研究を進められるこの環境は私の研究対象において最適なものです。
少数精鋭の授業なので毎授業密度濃く進んでいき、特に修士1年次は予習復習課題に追われる日々です。訳しながらテキストを精読していき、かつ周辺の文学史もさらいながら分析を深めていくのでフランス語に加え徹底的に研究の基礎を鍛え直すことができます。時間を要しますが、研究室には文法書や辞書を始めあらゆる本が揃っており、また頼り甲斐のある先輩方もいらっしゃるので、疑問点は院生同士で議論し答えを探求していくことができます。

教員の印象は?
 大学院に入り少人数制になったこともあり、学部と比べさらに密な関係を築くことができています。学部時代、大学教授は学生と教授という隔たりを有した異世界の方々という印象を持っていましたが、こうして院生として研究の道の入り口に立ち、先生方が第一線で活躍していらっしゃる世界を覗かせていただいた時、改めて先生方の偉大さと自分の底なしの非力さを実感しました。皆様とても丁寧に指導してくださいますし、指導教授でなくても院生それぞれの研究を把握し助言をしてくださるので、各分野の専門家から意見をいただくことができるこの環境は大変恵まれていると日々実感しています。行き詰まっている時には一歩先に進むための指針を、盲目的に突き進んでいる時には別の可能性の示唆をしてくださるので、未熟で不器用な私でも、少しずつではありますが着実に研究を進めていくことができています。

留学についてはどうでしょう?
 大学院在籍の学生のほとんどが留学経験者であり、院に入ってさらにもう一度留学する学生も多くいます。私もその一人で、2016年度秋より本校の派遣留学制度を利用してパリ第7大学に留学予定です。マリヴォーは日本ではほとんど研究がなされていない劇作家なので、現地で最先端の研究に触れ、また実際に劇場で行われている舞台の実地調査および日本では手に入れることが出来ないような資料の調査を行うことで、修士論文執筆の準備を行うつもりです。
 本専攻の院生には協定校留学だけでなく認定校留学や私費留学など様々な形での留学経験者がいるので、話を伺ったり相談に乗っていただいたりすることで自分にあった留学先を見つけることが出来ます。それも毎年数名留学しているため、最新の情報を教えていただくことができ、現在手続き真っ最中の私には大変心強い味方です。
 殆どの学生がJASSOやトビタテなどの奨学金を受給し留学を行っており、文部科学省のスーパーグローバル大学創生支援に採択された立教では、立教が運営する留学生向けの奨学金やサポートがとても充実しています。これらを活用していけば日本で院生生活をするのと変わらない負担で留学することも可能です。このように立教の院生みなにとって留学は質の高い論文執筆のための選択肢の一つとなっています。




院生の声(2) 2016年度後期課程入学


どんなきっかけで、立教大学大学院の仏文専攻に来ることになりましたか?
学部時代の所属大学にはフランス文学科がなく、大学院進学にあたって所属大学以外を探す必要に迫られました。個人的にはいくつかの候補があったのですが、所属大学のフランス語の先生に尋ねたところ、立教大学大学院を勧められました。
まず、立教大学は中世から20世紀までまんべんなく学べる体制になっているということが一つの理由です。私は文学部出身ではないため、幅広い知識を得るのに最適な環境だと思いました。
それだけではなく、私はフローベールを専攻しているのですが、菅谷憲興先生が世界水準でのフローベールの研究を行っていることも、立教大学を選んだ大きな理由です。そのためフランスからフローベール研究者を招いての講演会などが行われる機会も多く、非常に刺激になります。

何を研究していますか?
 フローベールの『ボヴァリー夫人』を研究しています。19世紀には『ナポレオン法典』が大きな影響力を持っていたのではないか、という仮説から出発して修士論文を書きました。文学とはあまり関係がないように思われる様々な資料を駆使したのですが、中間報告会などを通して先生方にたくさんのアドヴァイスを頂き、なんとか修士論文として形にすることが出来ました。
 私の場合は前期課程に入学した当初から後期課程への進学を志していたので、修士論文では一つの試金石になるようなものが書けた、と自分では思っています。19世紀当時の法律や思想を視野に収めて、今後もフローベール研究に取り組んでいくつもりです。

仏文専攻の印象は?
 まず研究に取り組む姿勢に驚きました。先輩方はみなテクストを一字一句読み落とさずに丁寧に読解し、意味を引き出してくる、という流れをさも当たり前のようにこなしていました。特に私は文学の授業というものをほとんど受けたことがなかったので衝撃を受けたことを今でも思い出します。実際、一年生の時は授業についていくだけでも大変で、毎日遅くまで院生室で勉強していました。そうした状況でなんとか修士論文を書けたのは、先生方のみならず、先輩方からも助言を頂けたことが大きいと思います。
 また、修士課程の学生と博士課程の学生が一緒に授業を受ける機会が多いことも立教のよいところだと思います。フランス語力や文学的知識など大きな差を見せつけられますが、それが刺激になって研究への励みになります。

先生方の印象はどうですか?
 院生の関心を尊重しつつ、様々な文献を提示してくれます。指導教授の先生のみならず、仏文全体で院生の研究をサポートする体制があると思います。各先生が専門領域において超一流のスペシャリストでありながら、フランス文学全般に関して深い知識を持っておられるので、柔軟な意見を聞くことが出来ます。
そして、各世紀を網羅的にカバーするかのように授業が設置されているので、ある作家では主流の方法論が、別の作家ではあまり使われていないが有効な方法論だった、という発見につながることが多いと思います。

授業についてはどうですか?
 フランス語のテクストを訳し、精読していくというスタイルの授業が多いです。ですが、ただ丁寧に訳出するだけではなく、テクストの背景なども視野に入れて読まなければならないため、語学力以外も鍛えられます。背景に目を向けることで、隣接するテーマにまで議論が広がっていくことがあるので、自分の研究にとってもいろいろな発見につながります。
 また、私は学部時代にフランス文学を勉強していたわけでもなければ卒業論文も書かなかったので、ある程度の量が要求される修士論文の執筆に不安を抱いていたのですが、「論文を書く」方法論を学ぶ授業が用意されているので文章を磨く機会はたくさん与えられます。

設備や図書館の使い勝手はどうでしょうか?
 院生室と図書館は同じ建物なのですが、新しくてきれいです。院生室には個人用のロッカーがあり、本棚にはフランス語の本がぎっしりつまっています。院生同士の雰囲気もよく、他大学から入学してきてもなじみやすいです。
 図書館でよく使う設備を紹介しますと、院生(と教員)専用の閲覧席があり、そこで集中して勉強することが出来ます。私の場合は、語学の勉強をしたいときには、院生室ではなくて、図書館の閲覧席を利用しています。また、2016年度現在は、図書館が所蔵していない書籍を購入依頼できるシステムがあるので、一般に流通しているものなら図書館に入れてもらえます。

後輩へのコメント
院生室や図書館などのハード面、先生方による指導というソフト面、ともに非常に恵まれた環境だと思います。その中でどのような成果が出るかは自分次第です。ぜひあらゆるものを活用して、充実した研究生活を送ってください。


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