ホーム>院生の声
院生の声(1) 2011年前期課程入学
どんなきっかけで、立教大学大学院の仏文専修に来ることになりましたか?
学部時代に卒論を書いていて、テクストとひたすら向き合い、分析していく作業は精神的にすごく辛かったのですが、その辛さは今まで味わったことのないような種類のもので、できあがった時の達成感も他には代えがたいものでした。そうした達成感を卒論で最後にしたくないという気持ちから、大学院進学を考えはじめました。
通っていた大学でもフランス文学専攻に所属していたのですが、卒論も日本語と英語で書いていました。フランス語を読む力が弱かったため、もっと原文としっかり向き合いたいという思いがありました。実際、原文で読むのと和訳で済ませてしまうのでは雲泥の差があると今では感じています。
私の場合はこんなふうに学部を卒業してから、本格的に大学院進学を考えはじめたのですが、大学院を選ぶにあたっては、学部のころに学べなかったことを学びたいという気持ちが強かったです。ですから、中世から現代まで各時代を専門にするいろんな先生がいらっしゃることを第一条件にして、大学院について調べはじめました。また、自分の研究課題のことを考えると、芸術学的な分析よりも社会学的なアプローチに関心をお持ちの先生から指導していただきたいと思い、立教大学を選びました。
最終的には面接の際に感じたアットホームな雰囲気に、すごく居心地の良さを感じ、結局他はどこも受験せずに立教に決めました。
何を研究していますか?
マルグリットデュラスのL'amante anglaiseを研究しています。この作品は小説として書かれた後に戯曲にもなったのですが、実際に起きたある殺人事件をもとに書かれています。デュラスは文学作品だけでなく、当時のアクチュアルな事柄について雑誌などにも多くの記事を書いていました。それらをもとに、デュラスの社会との関わり方を考察していきたいと考えています。現実の事柄をどのように作品の中に取り込んでいったのかを分析するのが私の研究です。この研究のためには、作品それ自体を読み込むのはもちろんのこと、デュラスの残した膨大な量のジャーナリスティックな記事やエッセイを読み、比較検討する必要があります。また、作品のもととなった実際の事件についても、当時の新聞から該当する記事を探し出し、分析しなければなりません。
仏文専修に来て、驚いたことはありますか?
まず驚いたのは時間が思った以上に足りないことです。修士一年はとらなければならない授業も多く、授業内容も多種多様なので、頭を切り替えながら日々予習復習をしなくてはなりません。それに加えて授業を受けて毎日フランス語に触れ、先輩方の流暢なフランス語を聞き、すらすらと精読していく姿を目の当たりにしているうちに、語学力に対しても自然とさらに貪欲になりました。なので語学の勉強をするための時間も確保したくなりました。かなりタフな生活を送ることになります。
もうひとつ驚いたのは、研究指導の先生が本当に親切だということです。私は、一般に教授は自分の研究に忙しく、指導教授とはいっても論文の最終チェックをしてもらうだけなのではないかと思っていました。ですが、私の研究する作品も読んでくださり、また面談の際も、煮詰まっている点などを話すと熱心に耳を傾けてくださいます。先行研究として参照する論文や資料にまで目を通してくださり、貴重なアドバイスをしてくださいます。
良かったと思うことはどんな点ですか?
入学当初に望んでいた以上の研究環境が整っていたということです。まず第一には、先に述べた先生の指導の丁寧さです。それに応えられるような修士論文を書かなくてはとモチベーションが上がります。次に見習いたいと思える先輩や、切磋琢磨できる学生が身近にいることです。先輩がたと一緒に原文にあたるだけでも、私一人では見つけられなかった側面が見えてきますし、先輩がたがどのように勉強しているのか、そばで見ているだけでも、一年後、また数年後こうなっていなくてはという自分の研究の理想像が見えてきます。また、他の学生が授業中に発言する姿もとてもよい刺激を与えてくれます。
先生がたの印象はどうですか?
面接のときに感じた印象とほぼ変わりません。どの先生もとても親切で、授業前後や教室を離れた場所であっても研究の進み具合について尋ねてくださったり、院生一人ひとりのことをとても気にかけてくださっていると感じます。質問すれば、その先生が担当している授業以外のことであっても丁寧に答えてくださり、研究で困っていることを相談すれば、一緒に悩んで解決策を考え、的確なアドバイスをしてくださいます。文学を専門的に研究するにあたって基本的な方法論もよくわかっていなかった私には、本当にありがたいです。
院生の声(2) 2010年前期課程入学
どんなきっかけで、立教大学大学院の仏文専修に来ることになりましたか?
卒業論文を書いたのがきっかけです。自分なりの問いをたて、文献を読み、少しずつ形にしていくという一連の作業から文学研究の面白さを感じ、もう少し続けてみたいと思い大学院に進学することに決めました。中世から現代、フランス語圏の文学まで多様な領域を専門になさっている先生方がいらっしゃるのも魅力的でした。この大学院なら、自分のやりたい作家だけでなく、もっと幅広い視野を持ってフランス文学を学べると感じました。
何を研究していますか?
バルザックの初期作品である『結婚の生理学』から、「生理学」というジャンルに興味を持っています。バルザックの考える「生理学」とはどんなものなのか、なぜ「結婚」を扱うのかといった問いと関連付けながら、どのようなジャンルとして読むことが可能なのかを研究し、論文にしてみたいと考えています。
バルザックに興味を持ち始めたのは、卒業論文で扱った作品もまた「生理学」を題材にしていたからでした。『人間喜劇』の中の他の小説も面白く、ぜひこの作家を研究してみたいと思うようになりました。
良かったと思うことはどんな点でしょう?
授業が少人数で行われるのは非常によい点だと思います。先生の研究室や小さなゼミ室での授業がほとんどで、一人ひとりの発表や発言の場も多く、質問もしやすい環境です。毎回の準備は大変ですが、他の人の意見や質問を聞くことで授業の理解が深まり、大変よい刺激になります。また、専門や関心の近い院生同士が集まって自主的に勉強会をしたり、先生の研究室で定期的に読書会が開かれたり、授業以外の活動が多くあるところもよいと思います。
院生室が用意されていることも便利です。どこの大学院でも大抵用意されているとは思いますが、学部生のころは自分が使う本や辞書は常に携行していなければならなかったので、一人ひとりが使えるロッカーや共有のパソコンなどが揃っているのは助かります。院生室は明るく溶け込みやすい雰囲気です。部屋自体はそれほど広くはありませんが、勉強会をしたり、調べ物をしたり、課題を進めたりと、それぞれの院生が自由に使っています。先生がたの研究室はちょっとした図書館のようで、行き詰まったり相談をしに行くと、高く積まれた本の中から参考になるものを見せてくださったりします。
授業についてはどうですか?
中世から現代まで幅広く受講することが求められるので、必然的に様々な時代、作家のフランス語に触れる機会が与えられます。フランス人の先生の授業では、読むだけでなく口頭発表や小論文なども課題として出されます。初めのうちは戸惑いましたが、一年経つと以前よりもずっとフランス語が使えるようになっていることに気づきました。
留学についてはどうでしょう?
大学間の協定校としてパリのINALCOとリヨン第3大学があり、大学の派遣留学の制度を利用する人もいますが、私費でパリやその他の地方都市の大学院へ留学する院生も多くいます。派遣留学は出発の前年度に国際センターの選考を受け、決まれば次の年度から一年間の留学が可能です。交換留学生として留学するため、書類や証明書などの手続きが比較的スムーズです。
私は派遣留学の制度を利用して後期からリヨン第3大学へ留学する予定です。一年間だとあまり沢山のことはできないと聞いていますが、まずはフランス語の力をつけた上で、授業は19世紀の文学、文化に関するものを中心に受講しながら、修士論文の準備を進めようと考えています。リヨン第2大学やエコールノルマルにはバルザック研究者がいらっしゃるので、ぜひ聴講したいとも思っています。
設備や図書館の使い勝手はどうでしょうか?
図書館が新座を含め5つに分かれていますが、普段使う文献のほとんどは院生室のある6号館の人文図書館に入っているため、使い勝手は良く、比較的便利です。立教の図書館に探している本がない場合は山手線コンソーシアムを利用し、取り寄せや閲覧が可能です。学習院大学は歩いて行ける距離にあり、利用する院生も多いです。パソコンや辞書は院生室に共有のものがあり、調べ物に不自由はありません。
後輩へのコメントをお願いします
学びたいと思う学生には広く開かれた大学院です。自分の姿勢次第でどんどん視野が広くなります。ぜひ充実した大学院生活を送ってください。
院生の声(3) 2011年後期課程入学
どんなきっかけで、立教大学大学院の仏文専修に来ることになりましたか?
立教大学の仏文学科に入学した当初から、大学院に進んで自分の研究を続けて行きたいと思っていました。三年時と四年時に澤田直先生のゼミに参加していたので、このまま澤田直先生の指導の元で研究を続けてきたいと思い、立教大学大学院の仏文専修に進みました。
何を研究していますか?
哲学者アンリ・ベルクソンを中心に研究しています。ベルクソンの著作『道徳と宗教の二源泉』に見られる神秘主義思想をテーマに修士論文を書きました。ベルクソンは、第一次世界大戦時にフランス政府の依頼で使節としてアメリカに渡り、ウィルソン大統領に参戦を呼びかけています。また愛国主義的な姿勢は終生変わりません。しかし1932年に出版された『道徳と宗教の二源泉』では、神秘主義者が国家の枠を超えて人類を愛する者として理想的に提示されています。この二つの姿勢の間にどのような推移があるのかという問いについて修士論文では論じました。今後もベルクソンの哲学において神秘主義がどのような位置を占めているのかについて研究していきたいと思っています。
仏文専修の印象は?
学部時代から大学院の授業に参加させていただいていたので、進学以前から授業の雰囲気はある程度掴めていました。ですが、実際に入学した修士一年時は、授業や課題についていくことで精一杯でした。授業自体は一日一コマか二コマですが、それぞれの授業の内容が濃密で、予習が欠かせませんでした。
立教大学大学院の仏文専攻では、院生それぞれの研究を尊重して、自由に研究できる環境が整っていると思います。また意欲的な院生ばかりなので、院生同士が自主的に勉強会を行うなど、お互いに刺戟し合える関係にあると思います。
先生がたの印象はどうですか?
先生がたはどなたも親切で、研究指導に限らず様々な相談に乗っていただけますし、授業に関しても、積極的な姿勢が求められますが、疑問点や質問に対して丁寧に答えていただけます。また立教大学の仏文専修の特徴として、先生がたの専門分野が幅広く、網羅的であることが挙げられると思います。中世から現代まで、文学や哲学に限らず、詩や美術に至るまで幅広い分野の指導に対応していただけます。
授業についてはどうですか?
多くの授業は、主にフランス語のテクストを訳読しながら進められていきます。したがって、フランス語をより丁寧に読み込む能力を身につけることができると思います。また語学としての読解能力だけではなく、テクストそのものを作品としてどう読み解き分析するかといった、文学研究の基礎となる方法論や、作家や思想家の作品の背景や文学史・哲学史の流れも併せて解説していただけます。さらに論文を書く上で必要な知識も教えてくださいます。フランス人の先生の授業では、仏作文の添削もしていただけますので、フランス文学・語学を体系的に学べるシステムになっていると思います。
留学についてはどうでしょう?
立教大学には派遣留学制度があり、フランス語圏に関しては、パリにあるINALCO(フランス国立東洋文化研究所)と、リヨンにあるリヨン第3大学、またカナダのケベック州にあるシェルブルック大学へと学部生や院生を毎年9月から派遣しています。派遣先の協定大学の授業料は免除されます。推薦枠に限りはありますが、国際センターにより、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の留学生交流支援制度の奨学金に推薦してもらえます。滞在先の学生寮なども派遣大学により用意されますので、初めて留学を経験される方などは、利用しやすい制度だと思います。
私自身は2011年9月から、トゥールーズにあるトゥールーズ第2大学の修士課程へと留学します。これは立教大学の派遣留学制度とは別で、私費留学という形になります。6月初旬に指導を希望する教授へ研究計画を送ったところ、指導の許可がいただけたので、留学することになりました。指導教授は、神秘主義と哲学との関係に関する著作も記しているので、この先生の指導のもとで、ベルクソンの哲学における神秘主義の役割を研究していきたいと思います。
設備や図書館の使い勝手はどうでしょうか
立教大学では各研究科に研究室が割り当てられています。図書館には院生閲覧室が設置されていて、院生はいつでも利用することができます。また論文執筆の際には、申請を出すことで通常の貸し出し枠を超えて書籍を借りることができます。その他にも他大学の図書館に所蔵されている雑誌掲載の論文のコピーも取り寄せることなどもできます。図書館ではノートパソコンの貸し出しもしています。


