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荒木経惟 つひのはてに

フィリップ・フォレスト (著), 澤田 直 (訳), 小黒 昌文 (訳)

白水社 (2009/12)


<日本人が、まだ知らないアラキ>
日本のみならず、いまや世界的にその名を知られる天才写真家荒木経惟。本書は、フランスの小説家にして気鋭の批評家である著者が、膨大な作品の中から31点を選び、その一枚一枚から、荒木が生涯を賭して制作をつづける長大な「私小説」の一端を繙き、生と死、喪と欲望、哀しみ、そして溢れでる愛を読み解く、エッセイであり、また小説でもある。
しかし著者は、写真家自身がその「私写真」や著作やインタビューによって、誰よりも雄弁に語る自伝的な物語を、単になぞるだけではない。荒木の作品をポップアート(ウォーホル)やネオレアリズモ(ロッセリーニ、デシーカ)などとも比較し、またロラン・バルト、バタイユ、ボードリヤールなど現代思想家たちによる「表象」についての考察を効果的に引きながら、荒木の作品を世界的な現代アートの流れのなかに明確に位置づけ、その才能と魅力を余すところなく伝えている。と同時に、日本古来からの日記・随筆など広義での「私小説」の系譜に荒木を据え、大江健三郎などとも並べて日本文学の文脈でも論じている。まちがいなく、新しい荒木像がここにある。
分類:執筆分担(共著、共訳) 澤田 直
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