寄稿
株式会社大和総研 産業コンサルティング部
圓 真耶子氏
出会いとつながり
立教大学経済学部に晴れて入学し、1年次には経済分野以外にも、心理学、哲学、特に語学(英語)といった一般教養の授業に興味を持ち、積極的に受講した。2年次からは、名和隆央教授のゼミに入ることができ、自らテーマを設定し、論文を書き上げ、発表する訓練の場を与えていただいた。
充実した大学生活であったが、大学3年の春に、転機が訪れた。所属していた名和教授のゼミに、一人のタイ人留学生が参加することになったのだ。彼女はタイの名門、チュラロンコン大学からの交換留学生で、中華系タイ人。ぎこちないが、丁寧な日本語で自己紹介していた。ゼミ生の一人として、私は彼女の勉強・生活全般のサポートを任された。
初めて接する日本以外のアジアの大学生、そして彼女を通じて出会った数多くの留学生達(国は、タイ、フィリピン、インドネシア、韓国、アメリカ等)。この出会いが、私の視野を大きく広げ、一歩前進するきっかけを与えてくれた。
7号館のコンピュータールームや、立教に隣接するスターバックスに集い、時間を忘れて語り合った。また、留学生の多くが下宿していた力行会館という学生寮に集って、アジアの各国料理と日本料理を持ち寄ったパーティーを何度も開いた。こうした留学生との交流は、身近でありながら、知ることのなかったアジアを始めとする国々を、直接体験する貴重な機会となった。
私は大学卒業後、アジアの開発途上国の経済政策支援に携わるため、イギリスの大学院に留学し、開発政策のあり方を学んだ。帰国後、開発援助機関で働き、現在は、民間のシンクタンクにおいてアジアの金融市場の発展のための技術協力に微力ながら携わっている。技術協力では、相手国の人とのコミュニケーションを通じた信頼関係の構築が大切である。この点に充分配慮しながら、プロジェクトに携わっていきたいと思う。
今の自分があるのは、蔦の絡まるレンガ建てが美しいキャンパスで、自分探しの結果出会ったタイを始めとするアジアの留学生との交流、そしてその中でアジアの一員としての自分を見つけたこと、にあると思う。
(1999年経済学部経済学科卒)
-題字は本人直筆-


