講演会レポート

(掲載日2011.02.17)

連続シンポジウム

『ミツバチの羽音と地球の回転』上映会および監督講演会

日時 2011年1月16日(日) 14:30~17:45
会場 池袋キャンパス 8号館1階8101教室
講演者 鎌仲 ひとみ 氏(映画監督)
飯田 哲也 氏(環境エネルギー政策研究所所長)
山戸 孝 氏(映画出演者)
主催 コミュニティ福祉学部

はじめに

「命の尊厳のために」という理念のもと、人と人、人と自然環境との共生を考えるコミュニティ福祉学部。今回は、人間中心社会から自然と共存する持続可能社会をどう構築していくかという、現代社会が抱える最も重要な問題を正面から捉えた映画を上映。上映後に鎌仲ひとみ監督、環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏、映画出演者の山戸孝氏をお招きして、映画について、エネルギーの未来についてのトークイベントを開催しました。

映画『ミツバチの羽音と地球の回転』あらすじ

瀬戸内海に浮かぶ「祝島」の真正面に、原発建設計画が持ち上がって28年。島民は一貫して建設に反対してきた。島では海藻や鯛をとり、無農薬のびわの栽培をする生活を千年も前から続けている。最も若い働き手、孝さんは妻子を抱えて自立を模索している。その行方を阻むように着々と進められる原発計画。島民は一体となって阻止行動に出る。

孝さんの眼差しの先には、スウェーデンの人々の取り組みがある。地域にある資源で地域自立型のエネルギーを作り出すスウェーデンの人々が目指すのは持続可能な社会。それを支えるのは電力の自由市場。原発重視かつ電力独占体制の日本を変えるためにはどうしたらいいのか?

本作は、日本の原発計画に向き合う人々と、自然エネルギーで暮らすスウェーデンの人々の取組みの両方を描いている。そこからは、自然と共振し、エネルギーを生み出すミツバチのような人々の羽音が聞こえてくる。

トークイベント

ミツバチのような持続可能な生き方を

鎌仲:『ミツバチの羽音と地球の回転』は2010年6月の公開から、主に市民による自主上映という方法で、2010年末までに100回上映していただきました。テーマはエネルギーについてです。エネルギーの問題を解くことが、暮らしや社会の大きな問題を根本から解くことにつながるのではないかと思っています。
私たち人類は、これまでエネルギーを得るために、多くの環境破壊を行ってきました。今、そうして築き上げてきた文明が問われ始め、このまま石油を掘り出し、ウランを核分裂反応させ続ければ、「100年後、200年後には、地球環境を維持できない」というサインが、たくさん出てきているのです。この映画のタイトル「ミツバチの羽音と地球の回転」には「蜜をとっても自然を破壊しない、ミツバチのような持続可能な生き方を一人ひとりが目指すことで、社会は変わっていくのではないか」という意味を込めました。
ここでは祝島(山口県)とスウェーデンを1本の映画で描いていますが、取材を通して、原発に反対する祝島の人たちの価値観や選択のあり方が、スウェーデンで未来のエネルギーをつくりだしている人たちと重なってきました。映画を撮り終わった2010年3月から今まで、祝島では何が起こったのか、映画に出演していただいた島民の山戸さんからお話いただきます。

山戸:まず原発建設について、映画ではブイ(海の工事区域を示すための灯浮標)の設置まで描かれていましたが、それから先の埋め立て工事などは一切進んでいません。原発の工事を担当する中国電力の船がくるたびに、島民が抗議をして押しとどめているのと同時に、中国電力が 2009年の終わりに原子炉設置許可申請を国に提出したところ、耐震性に関わる地質のデータが不足しているために追加調査を命じられたのです。ですから、まだ海は壊されていません。

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