(掲載日2011.08.08)
レポーター : 異文化コミュニケーション研究科1 年次 王 詩佳
高野 孝子 特任教授
「環境コミュニケーション」は実践から学ぶ授業です。机上で知識を集めることも大切ですが、実際に自然と触れ合うことで、より多くの見解を得ることができます。
授業の中で最も印象に残ったのが、池袋キャンパスで行われた木と触れ合う授業です。「自分の木探しゲーム」と題したその内容はいたってシンプル。二人一組となり、一人は目隠しをし、もう片方のパートナーに手を引いてもらいます。そして、パートナーがランダムに選んだキャンパス内の木に、目隠しをしたまま触り、その形状や質感を記憶し、スタート位置まで戻ります。その後、目隠しを外して、自分が触った木がどれだったのかを当てるという内容です。
ひねくれものの私は、実際にやってみるまでは「似た木がたくさんある中、触っただけでは分かるわけがない」と頭ごなしに否定をしていました。しかし、実際に目隠しをしてパートナーの選んだ木を触る事30秒、信じられない事に、木の全体像が閉ざされたまぶたの奥に浮かびあがってきました。スタート位置へと戻った後でも、自分の触った木を発見するのに10秒とかかりませんでした。嘘のような体験で、自分でも未だに不思議です。
この授業を通して、知識のみに頼ってしまうと本質から遠ざかってしまう可能性がある事を体感しました。高野先生の授業はこの様な実践による教育をベースにしており、通常の講義とはまるで違います。皆さんにも機会がありましたら、ぜひ一度、環境コミュニケーションの授業を受けてほしいと思います。
「自分の木探しゲーム」は池袋キャンパスの木々を使って行われました。
教室に戻り、グループに分かれてディスカッション
| 取材日 | 2011年7月1日(金) 16:40~18:10 |
| 教室 | 池袋キャンパス 9号館B01教室 |
■講義概要
「環境コミュニケーション」という用語は近年,持続可能な社会作りを念頭に、環境問題の防止や解決を目的とした、多様な利害関係者間での情報共有や対話のことを指すとされることが多い。具体的には、環境報告書や環境活動レポート、環境CMや映像などだ。
しかし、「環境」の捉え方も実態はさまざまで、環境コミュニケーションにも多様な意味が含まれる。
この授業では,コミュニケーションと環境の間を、in, about, for, withで見立て,上記の枠にとどまらない環境コミュニケーションを考えていきたい。特に「ひとと自然の関係」を中心に深めていく。
異なる世界観の下では、自然との関係も変化する。また、どうやったらより伝わるか、コミュニケーションの手法についても探求する。
受講生の興味関心によって、環境映像や環境文学など,環境報告書を含む多様なメディアで表現されている実例も取り上げる。受講生それぞれが調べ報告する。全員の都合が合えば、自然との対話の時間を作り、直接体験によって環境意識がどのように変化するか、自己観察を試みる。
授業は基本的に参加型で行われるので、受講生たちには積極的に取り組む姿勢が望まれる。事前調査や課題に答えることも必要とされる。
■成績評価方法
授業中の積極的参加・事前調査(70%)、レポート(30%)
■系統的履修について
なし
■テキスト
なし
■参考文献
授業時に配布,または指示
■準備学習・その他(HP等)
「環境コミュニケーション」がどのような媒体で行われているか意識しておく。
講 議 計 画
1 「環境」、「環境コミュニケーション」の捉え方
2 文化や風土によって違う、ひとと自然の関係
3 情報の伝え方、伝わり方
4 映像を通した環境コミュニケーション
5 企業による環境コミュニケーション
6 自然とのコミュニケーション実習(全員のタイミング次第)