おもしろ授業 [大学院]

(掲載日2010.11.18)

立教生による講義レポート!

レポーター : ビジネスデザイン研究科博士課程前期1年次 大田 琢哉

宮下 篤志 兼任講師

この授業はビジネスデザイン研究科の必修科目であり、1年次の後期に開講している。開講期間はA期間とB期間に分かれており、A期間は、大学院学生全員が3~5人編成のチームに分かれ、ハンバーガー製造会社の役員として前経営陣から経営を引き継ぐという設定で、ビジネスゲームが始まり、6四半期にわたり他チームと業績を競う。チームメンバーは、年齢、性別、国籍、経歴もさまざまで、いろいろな視点からアイデアが出てゲームが盛り上がる。前期に、会計・ファイナンス・マーケティング・オペレーションなどの基礎科目を履修してきた大学院学生は、そこで得た知識と自身の経験をフル活用し、チームメンバーと力を合わせ、このゲームに挑む。つまり、MBAを目指す大学院学生には、願ってもない機会であり、非常に良い経験となる授業である。

教室内の様子

具体的には、チームメンバーで社長や役職を決め、会社の名称や理念を考え、経営戦略を練るなど、まるで本当にこのメンバーで起業するのではと、錯覚するほどにチーム内で真剣に議論をする。そして、役員報酬・従業員の給与・営業の増員・広告宣伝費・販促費・製品のラインナップ・生産数量等の多岐に渡る意思決定を、自社のキャッシュフローを垣間見ながら、メンバー全員で決定し四半期ごとに業績を省察する。各チームはその結果に一喜一憂するわけだ。

ビジネスゲームの経過報告

しかし、本授業の本質はビジネスゲームの結果だけではない。指導教員から提示される市場環境レポートを熟読し、前四半期の業績を省察し、自社の理念を実践し、その全てを論理的に組立て、次四半期の意思決定を行い、そして自社の経営戦略を練り上げる。当然、その間に各チームでのミーティングや役割分担の明確化が不可欠となり、実際の組織でも言えることだが、チームワークも重要な要素となる。そして授業では、自社の経営戦略をパワーポイントでプレゼンテーションを行い、このプレゼン内容も成績評価の対象となる。このように、役員として意思決定を行う際の論理的根拠の創出や、円滑な組織運営を行うためのチームワークを疑似体験できることが、本授業の本質ではないかと感じる。

報告に対する意見交換

また、授業の一環として指導教員から与えられたテーマ(行動するリーダーの条件・失敗の経営に学ぶ・ヒト、モノ、カネの研究・グローバル化と日本の経営)をチームごとに研究し、クラス全体で学びを深めたことも印象に残った。これらのテーマは、MBAホルダーにとって必須と言えるテーマで、書物からも得ることは可能ではあるが、クラスで多様な知識と経験を共有することは、大学院学生にとって魅力のあることではないだろうか。

そして、この後B期間ではチームごとに起業や新規事業を前提に、ビジネスプランを創出するプログラムが用意されている。このプログラムでは、膨大な調査・情報収集やチームメンバーでディスカッションを重ねることが必要となるだろう。期待と不安が入り混じりながらの挑戦になるが、引続きベストを尽くして参りたい。

この授業は、本クラスの指導教員である宮下講師が常々おっしゃっている「学から産へ」を、大学院学生が自身の企業組織で発揮するための「核」となるに違いない。

取材日 2010.11.06
教室 池袋キャンパス14号館

授業概要(2010年度シラバスより)

■講義概要
この科目は、本研究科向けに用意されたビジネスゲーム・ソフトを使用し、演習とそれを補完する戦略概念、分析手法等に関する講義を通し、企業経営に必要な知識、経験を習得することを目的とする。

クラスは6チームに分けられ、バーチャル企業を5~6期にわたって経営し、企業業績を競う。企業業績の良否は、外部要因に影響を受けるものの、経営上の意思決定の巧拙に大きく左右される旨を体験し、不確定状況下でも合理的かつ整合性の取れた意思決定がいかに重要か、また、そのために必要な業務知識、競合優位性を構築する上での考え方の枠組み、分析手法等が何かを学ぶ。

演習は毎週実施され、各期の意思決定項目を決めることが求められる。膨大な分析作業に基づいた商品企画、営業、生産、財務の各部門間で整合性のとれた意思決定が不可欠である。それぞれ異なった知識、経験、価値観を持ったチームメンバーが限られた時間内で効率的に業務を分担し、円滑な意思疎通をするための努力を通じて、組織運営上必要なコミュニケーション・スキルの習得を行う。

後半の期間はビジネスゲームで培った様々な能力を生かして、ビジネスプランの作成と発表を行う。異なる知識や経験、価値観を持ったメンバーから生み出されるアイディアを通して、ビジネスクリエーターとしての資質を身につけることを目的とする。

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