おもしろ授業 [大学院]

(掲載日2009.06.01)

立教生による講義レポート!

レポーター : 異文化コミュニケーション研究科 前期課程1年次 三ツ谷 直子

毎年恒例、清里の合宿授業

研究科の4領域の関係性について、教員全員が一人ずつ発表
司会は、合宿コーディネーターの川嶋先生

2009年5月、山梨県清里。 駅へ降り立つと、そこは緑の別世界。降りしきる雨の中、眼にすがすがしい木立も、風に吹き騒ぐ草原も、いっそうの静けさをたたえた心癒される思索の旅が始まりました。駅から歩いて20分、到着したのは、(財)キープ協会*フォレスターズ・キャンプ場。2日間の全プログラムはこの地を基点に行われます。合宿の目的は、本研究科が推進する新しい異文化コミュニケーション学について教員と大学院学生が語り合うこと。研究科の4領域の関係についてのディスカッションをはじめ、森の中を探索する自然体験プログラムや、キープ協会ゆかりのポール・ラッシュ記念センター見学を通して立教の歴史を垣間見るなど、実際の体験を通して理解を目指す内容となっています。
この清里合宿は、本研究科恒例のイベントであり、また新学期の疲れをリフレッシュさせたい気持ちもあるのか、入学時から皆が楽しみにしている授業の一つ。森の香りを体いっぱいに吸い込んで、さあ、いよいよディスカッションの開始です。

「場の力」が生む、発想の変化

研究科の4領域の関係性について
教員全員が一人ずつ発表

ディスカッションは、全教員によるミニ講義形式のものから、専攻領域別に全員で行うものまで、数回にわたって実施。積極的な討論を重ねながら理解と考察をじっくりと深めていきます。最初の議題は、今までの研究と新しい異文化コミュニケーション学との違いについて。これまでは米国直輸入であった異文化コミュニケーション研究を、本研究科が目指す新しいコミュニケーション学では、自然も異文化と捉えて環境コミュニケーションを加え、言語コミュニケーション、通訳翻訳、異文化コミュニケーションの4領域とし、それら互いの関係性に着目。次に各領域間の関わりをコミュニケーションの視点から考え、さらにそれらすべてを持続可能な未来という視点から俯瞰的に観ていくという違いについて討論しました。
次のステップでは、4領域の接合による新しい可能性と困難について、領域別に分かれ議論を闘わせます。面白いことに、場所を変えたことで思考が活性化したのか、皆いつもと全然違うノリで、教室の授業ではまず出てこない、鋭くユニークなアイデアが次々と飛び交いました。これも清里の持つ力なのかもしれませんね。

研究だけじゃない、生涯の宝物

教員の話を受けて翌朝、今度は院生が発表

合宿授業といっても、討論会ばかりではありません。今回、研究科の仲間とより打ち解けた関係になれたことも大きな収穫でした。学校にいる時は、仕事や授業で忙しく、なかなか話す機会がないのですが、朝は森散策、夜はピアノを囲んでミニコンサートを開くなど楽しい時間を共有することで、それぞれ違う専門分野を持ちながら、垣根を超えたつながりを持てた気がします。他にも、新しくて清潔な宿泊キャビン、近郊で採れたばかりの野菜や肉をふんだんに使った美味しいお料理や、キープ農場・ジャージー牛の「ゴールデンミルク」と呼ばれるほのかなクリーム色の濃厚な牛乳など、この土地でしか味わえない「旅」の醍醐味も存分に堪能できました。
あっという間に、旅も終りになりましたが、この2日間で得たことは、一生の大切な宝物です。この合宿を起点に、私たちの旅はまだまだ続きます。

キープ・フォレスターズ・スクール

(財)キープ協会のKEEPは、Kiyosato Educational Experiment Project (清里教育実験計画)の略で、ポール・ラッシュ博士により国際的な青年教育・農村振興を目的に創設されました。ラッシュ博士は、関東大震災の復興ボランティアとして来日し、その後立教大学でも教鞭をとり、その後キリスト教精神に基づいた”Do your best and it must be first class”(「最善を尽くせ、しかも一流であれ」)という思想のもとに清里を開拓、日米の友好にも貢献しました。日本に最初にアメリカンフットボールを伝えた「フットボールの父」としても知られています。

キープ協会職員の方の説明を受ける学生

キープ協会全景

森の遊歩道

取材日 2009年5月16日(土)~17日(日)
教室 山梨県清里 (財)キープ協会フォレスターズ・キャンプ場

授業概要(2009年度シラバスより)

■講義概要
「異文化コミュニケーション研究とは何か」について,言語コミュニケーション,通訳翻訳研究,異文化コミュニケーション,環境コミュニケーションの各領域から接近し導入的考察を図る。
具体的には,専任教員10名が各自の専門分野の概要および研究方法論を講義することにより,異文化コミュニケーション研究に関する基礎的かつ入門的な知見を得ることを目的とする。
異文化コミュニケーションの定義にしても,これまではある意味では狭義的になされてきたが,本講義では多様な視点からより包括的な捉え方を試みる。
又,学期間の2回を用いて,院生による発表を行う。その他に学期間1, 2回を用いて各分野の専門家を招いて講演会を実施する。

■講議計画
1. ガイダンス及び合宿講義
2. 異文化コミュニケーション研究の概要・事例研究
3. 言語コミュニケーション研究の概要・事例研究
4. 通訳翻訳研究の概要・事例研究
5. 環境コミュニケーション研究の概要・事例研究
6. 公開講演
7. 2年次生修士論文中間発表

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