(掲載日2008.11.24)
レポーター : 今回は受講生のお二人に池袋キャンパス4丁目付近でお話を伺いました。
――「人間」の定義とは?
――他者にも心があることを証明する手立てはあるのか?
みなさんは、そのようなことを考えたことがあるでしょうか。「ことばと人間」の授業では、人間生活の基盤となっているもの、しかし今まで考えたことがないようなことについて多角的に考察し論じていきます。私はこの授業を受けて、高校までの勉強と大学での勉強の違いを感じました。教えられたことをただ覚えていく。それが高校までの勉強でした。しかし、ここでは、過去の哲学者の意見などを基に自らが“思考”するということがとても大切です。
学生各々が考え意見を出しあうことによって、自分とは違う新しい観点に触れ、そしてそこから自分の考えを深めていくことができるのです。ある問題に対してじっくり思考するというのは、普段なかなかできるものではありません。この授業では、考えることの楽しさを学ぶことができると思います。
この「ことばと人間」では、私たちが生活していくうえで欠かすことのできない「ことば」について哲学的観点から学ぶことができます。また、ことばと密接な関係にある私たち「人間」とは一体どのような存在であるのかということもこの科目を通じて考えさせられます。
授業では、J.S.ミルやデカルトなどのテキストを参考にしながら人間の定義やことば、言語について考えていきました。中には原文や英訳で読み進めていくものもあり、多少苦労する部分もありましたが、一年次生である私にとって“英語で”学ぶことは新鮮なことでもありました。
さらに、異文化コミュニケーション学科の利点である、少人数のクラス編成によって、講義科目でありながら授業内でも学生の考えや意見を出すことができるというのもこのクラスの特色です。そしてそれを通じて自分の意見をまとめるために必要な論理的思考力を培うこともできると感じます。身近なトピックである「ことば」と「人間」について考える場を与えてくれる、とても興味深い授業です。
10月29日(水)の授業風景
| 取材日 | 2008年10月29日(水) 10:40〜12:10 |
| 教室 | 池袋キャンパス10号館 X301教室 |
■授業の目標
「ことばと人間」をテーマに,参加者自ら問題について考察し,論じる力を身につけることを目指す。
■授業の内容
いくつかのトピックを通じて,ことばと人間の関係を多角的に考察・議論し,単に過去の哲学者等の説をまとめるのではなく,参加者一人一人が自ら問題について考える授業にしていく。
■授業計画
以下のトピックを論じていく:
1.意識・理性・ことばの関係について ― 個としての人間とことばの関係について,主にデカルトと共に考える。デカルト的「私」とことばの関係は?動物はことばを話さない故に考えることもない?
2.「私」・ことば・他者の関係について ― 社会的存在としての人間とことばの関係について,主にウィトゲンシュタインと共に考える。「私的言語」なるものは可能か?
3.ことばが意味するもの・ことばが指示するもの ― 主にフレーゲと共に考える。「明けの明星」と「宵の明星」は,指示対象は同じだが意味は異なる?指示対象が存在しないことばの意味とは?
4.論理のことばの問題 ― 未来の状態に関する文や条件文は真理値を持ちうるか?
5.創造することば ― 小説や詩におけることばの振舞いについて。芸術のことばは,現実とは異なる,独立の世界を作り上げるのか?…など。