(掲載日2008.06.10)
レポーター : ビジネスデザイン研究科2年次 南雲和子
亀川先生
本授業はMBAの三種の神器といわれる「戦略」「組織」「ファイナンス」のうち「ファイナンス」を基礎から学ぶ初心者にも心強い講義である。今年度から選択必修科目2cに設定されている。
キャンパスに新緑が芽吹く授業開始間もない4月、亀川教授から「今皆さんが無人島に流されたとしたらどうしますか?」と問いかけられる。皆戸惑いながらも必死に無人島の情景を頭に描き、素手で魚を捕まえる困難さや、お腹が減っても網という「道具=資本」を作れば見えてくる希望等々を通して、ドラマティックに「貯蓄・投資・資本」等について学ぶ。
その後ファイナンスの基礎的な理論を、言葉の定義を一つひとつ確認しながら丁寧に勉強していく。講義中には、上記の無人島の例のほか、だんご屋やラーメン屋の事例など身近な具体例が豊富に盛り込まれており、授業が終わると団子が食べたくなったりラーメンをすすりたくなったり・・・。
授業が進むに従い、いつのまにか企業の資本コストや資産評価モデルなどについて理解するようになり、気づけば大企業の事業計画立案という課題に取り組んでいるのであるから、講義の中身の濃さは推して知るべし。授業中、亀川教授から容赦なく質問の矢が飛ぶ。おかげで受講生は眠くなる間がない。受講生の構成は中国・韓国などアジア各国からの留学生が比較的多く、年齢・職業・国籍はバラエティーに富んでいる。経験豊富な亀川教授もビックリの名or迷解答が飛び出すこともしばしば。しかし、どんなに脱線しそうになっても必ず本筋に話を戻す、亀川教授の授業操縦技術も、必見だ。
また受講生は1年生が大半であるが、2年生も数名混じる。これまでファイナンス系の授業を履修してこなかった2年生にとってはファイナンスの基礎を勉強しなおせる上、修了研究のヒントが散らばっていてありがたいかぎりである。平日の4時限(14:50~16:20)というワーキングタイムに行われている授業にかかわらず、営業・外回りの途中に立ち寄って授業に参加している自己投資に熱心な学生もいて、教室はいつも超満員。取材当日も教室後方に臨時のイスが設けられていた。
一度聴講してみたいという方には、早めの席取りをオススメする。
| 取材日 | 2008年5月2日(火)4限 14:50~16:20 |
| 教室 | 池袋キャンパス 11号館A202教室 |
■講義概要
ファイナンシャル・マネジメントは,企業と資本市場の関係を研究対象とする。具体的には,企業の資本調達と運用および,これに関連する意思決定の領域を対象とする。そのテーマは,資本および資本コストである。その基礎概念を学び,企業評価および資産評価(投資の経済計算)の考え方を理解し,その具体的な計算方法を知る。
正味現在価値(NPV)法,株式価格や債券価格のモデル,M&Aなどの議論を通じて,企業資本の本質的な理解を試みる。
企業資本の概念を中心に,院生と双方向の講義を行う。日常的に使用される言葉の意味を多面的に理解し,博士課程前期課程で知らねばならない基礎的な財務理論について考察する。
講 議 計 画
第1回 資本主義社会と資本概念
第2回 迂回生産と資本
第3回 貯蓄と資本の関係
第4回 利子と資本コスト
第5回 利潤と利子,資本評価の関係
第6回 貸借対照表と資本概念
第7回 企業形態と資本コスト
第8回 資本市場と資本コスト
第9回 リスクと資本コスト(CAPM)
第10回 加重平均資本コスト(WACC)
第11回 資産評価モデル(株式評価)
第12回 投資の経済計算(IRRとNPV)
第13回 無形資産と資本概念の変化