(掲載日2005.11.29)
レポーター : ビジネスデザイン研究科1年次 久保田潤一郎
後藤 克彦 客員教授
本年4月にオープンした11号館は、独立研究科事務室や研究室の他、2階には10~20名の授業に最適な教室がある。この新しい教室で、本年度から後藤教授担当のコーポレート・アイデンティティ(前期A期間)とコーポレート・マーケティング(後期A期間)がスタートした。
後藤先生は、現在、日本を代表するリサーチ会社の経営トップとして活躍されている。授業スタート時、私たちは、先生のキャリアから“調査をベースとしたクールな厳しい先生?”という先入観をもち、緊張していた(後日、懇親会の談話で、先生もMBAの授業は初めてで、緊張されていたとのこと)。しかしながら、毎回の授業で、実践的な講義とともに先生の情熱と人間味溢れるビジネスの体験談を伺い、さらに先生の人的ネットワークの広さと深さに驚き、次第に魅入られてしまった。取材日のコーポレート・マーケティング授業を通じて、その魅力の一部をお伝えしたい。
ゲストスピーカー:白本貞昭氏(株式会社トーモク 特別顧問)
取材日、6限目の授業は、本日の講師である白本氏から自社の経営革新事例や経営理念の重要性をうかがった。経営トップが何を考え、悩み、どのようなことを重視してマネジメントしているかを直接聞くことが出来るのは“経営理論の実践”という面で貴重なことだと考える。
7限目は、受講生が前週のアサインメント(家庭・職場・街角の観察を通じて、「満足度過剰の顧客、非顧客」に焦点をあて、製品やサービスに対する顧客ニーズを分析し、ビジネスチャンスを抽出する)を発表した。
発表者からはサービス過剰な例として、ホテル・理容店・美容サロン・ホテル・料理店・コンビニなどのサービスについての観察報告があり、続いて顧客が求めるサービスに特化したビジネスモデルが提案された。各自の発表は、プレゼンテーション資料1、2枚を使った5分前後の持ち時間だったが、訴求力の高いドキュメントと説得力のあるプレゼンテーションが求められ、密度の濃い発表が続いた。
私たち受講生は、多様な業種・業態で働く社会人が中心であり、年齢層も20代から50代と世代も違う。前にも複数の人が同じ企業をテーマに取り上げたことがあったが、視点や分析などに発想の違いがありとても勉強になった。当日も、受講生同士の質疑応答や先生からのコメントを通じて、顧客ニーズとビジネスモデルの関わりを深掘りすることが出来た。
コーポレート・マーケティングの授業は、講義とケーススタディ(大手企業のトップや新しいビジネスモデルで急成長している企業トップの講演)とアサインメント(テーマに沿った受講者のレポート)の構成で、各テーマの理解を深めている。さらに、授業前や懇親会で後藤先生から人的ネットワークづくりの重要性と実践方法をご教授いただいたことは、私たち受講生にとって貴重な財産になった。
| 取材日 | 2005年10月27日(木)6、7限 |
| 教室 | 池袋キャンパス11号館201教室 |
過去10年以上にわたって,企業は事業構造の見直しを迫られてきた。社会・経済環境の変化は激しく,環境変化に対応できなくなった企業が多い。大企業といえども例外ではない。また,時代の先端を行くと思われたベンチャー企業も短命に終わるなど,会社設立は容易になったが,経営は最も困難な時代に入ったといえる。今,企業に必要なのは,従来型の発想から脱却し,いかに新しい価値を創造し続けるかである。それには,常に時代を先取りし,エネルギーとなる経営資源の運用,管理を最適化するコーポレート・マーケティングが重要となる。コーポレート・マーケティングには大きく分けて2つの戦略視点が考えられる。一つは企業そのものを市場対応力を重視したマーケティングの視点で社会に最適化しようという考え方(マーケティング視点による経営戦略)である。もう一つは,従来から行われている商品マーケティングを,企業戦略視点から取り組み商品力を強化しようという考え方(企業戦略支援によるマーケティング戦略)である。今までの経営の中心的な柱であった商品マーケティングが,環境問題や欠陥商品などの様々なひずみや限界が現われたことによる新しい経営の流れを,企業のケーススタディを軸に学んでいく。ビジネスモデルの構築やガバナンスについては,企業のトップ,元トップからも学び,実践的スキルの育成を目指す。
1.マーケティング視点による経営戦略
(1)将来の社会環境や経済環境の分析を企業パフォーマンスの客観的な分析
(2)ビジネスモデルの構築
(3)持続的成長を可能とするガバナンスの構築
2.企業戦略支援によるマーケティング戦略
(1)経営理念やコーポレートブランドの重視
(2)顧客満足とサービス対応
(3)企業の連携