おもしろ授業 [学部]

(掲載日2003.12.15)

立教生による講義レポート!

レポーター : 国際・比較法学科4年次 伊藤岳志

大きく転換しつつある日本政治を、様々な角度から分析・解説する「日本政治論」。今回の授業では、「戦後の経済と政治の関係」をテーマに、歴代内閣の経済・産業政策が紹介され、それらが本当に戦後日本の産業の成長をもたらしたのかといった点について、検証が行われました。

温和な外見からは想像し難いが、時として五十嵐教授の講義は熱くなる。それは彼が数十年間、オブザーバーとして参加してきた地方首長の選挙や住民の抗議運動(原発反対等)を語る時だ。

 ふつう政治論といえば中央政界・官界の話ばかりである。私達の視線も東京の動静に注がれて、地方を振り向くことは滅多にない。だが五十嵐教授は日本の地図を鳥瞰し直す機会を与えてくれる。教科書や新聞にのる記事は表面的なものだ。その底にはもっと太い潮流がある。本講義を受ける学生は、日本政治の別の面を知ることになるだろう。

 ただ、彼の講義も欠点がないとは言えない。それは講壇の上からの一方的な授業に終始してしまうことだ。リアクションペーパーに学生の意見を求め、次回の講義でそれを反映させたなら、学生との相互刺激で教授自身も得るものがあるのではないだろうか。

取材日 2003年12月15日(月)1限目(9時00分から)
教室 池袋キャンパス7号館7102教室

授業概要2003年度シラバスより

■ねらい・授業内容■
 90年代以後,日本の政治は大きく転換しつつある。この講義では,この転換しつつある日本政治を,様々な角度から分析,解説する。
 まず最初に,敗戦から,高度経済成長,オイルショック,補助金政治,経済大国化,冷戦の終焉,連立政権と転換してきた日本政治を,経済・社会の変動,国民意識の変化などと関連させながら概観する。つづいて,現在の日本政治の諸側面やそれらの動向について解説して,立体的にその構造を明らかにしたい。
 この講義全体を通して,日本の政治が基本的にどのような構造や性格,ダイナミズムを持っているのかを理解してもらいたい。そして,ただ認識するだけではなく,自分たちがそのなかでどのような立場,条件にあり,またどのように働きかけることによって,この政治をより良いものに変えていくことができるのかを,主体的に考えてほしい。
 日本政治は,マスコミでも報道されるし,「床屋談義」的に論議されることも多い。しかし,この講義では,日本政治を理論的に,政治学的に考えることができるようにトレーニングしたい。いわば,新聞,テレビ報道の「読み方」を学んでほしい。同時に,自分たちの政治を傍観者のように眺めるのではなく,困難ではあるが自分の問題として取り組む姿勢をとってほしい。
 私も,市民のための日本政治論という観点をつねに心がけていきたい。
■授業計画■
序論:
1自民党長期政権の崩壊とその意味 2世界史的な大転換 3政治改革の課題
第1章:現代日本政治の軌跡 
1戦後政治から「55年体制へ」 2高度経済成長期の政治 3自民党長期政権とその爛熟 4「55年体制」の崩壊と「大国」の課題
第2章:官僚優位体制の動揺 
1日本官僚制の性格とその強さ 2官僚政治のメカニズム 3官僚制と政党政治
第3章:政党政治 
1自民党長期政権の政治とその遺産 2野党の存在 3予算政治と「族政治」活動
第4章:地方政治 
1地方の権力構造 2直接民主主義の試み;住民投票,情報公開,脱政党選挙 3政策課題とその実践
第5章:世論 
1戦後日本の世論の変化 2世論とマス・メディア 3マス・メディアと政治的態度,投票行動
第6章:選挙 
1戦後の選挙結果 2選挙運動と有権者の選択 3無党派層の登場とその性格
第7章:経済政策 
1戦後の経済政策 2高度経済成長政策 3産業・経済政策の変容
第8章:共生の時代の政策課題への取り組み 
1高齢化社会の福祉政策 2環境政策 3情報公開
第9章:外交政策
1戦後日本外交政策の基本政策 2冷戦後のアジア太平洋地域の秩序と日本外交の進路 3外交政策の決定過程
第10章:政治改革 
1課題 2政治と金 3政治改革をめぐる政治力学
第11章:日本政治の特徴

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