(掲載日2002.6.27)
本日の授業では、夏休みを控え、海外旅行する学生たちへの情報提供を兼ねて、
国際観光振興会審議役(日本人海外旅行者安全対策担当)平川健一氏をゲストスピーカーに迎え、海外旅行においてさまざまな被害が起きている状況と、安全対策について話していただいた。
地域別に12種類のパンフレットが用意されています
国際観光振興会 www.jnto.go.jp/info
特殊法人国際観光振興会は、日本政府観光局として世界の14ヶ所で日本の対外観光宣伝を行っている組織です。本来の業務は外客誘致(インバウンド)であるが、日本人海外旅行者が増えるにつれてトラブルに遭うケースも増え、1970代後半から、日本人海外旅行者の安全に係わる業務も行っている。とくに海外事務所では、現地での安全に関する情報を提供したり、被害にあった旅行者の相談にのったり、さまざまな トラブルのケアを行っている。
基本情報
・ 2000年の日本人海外旅行者数は1782万人(約半数は安く親しみやすいアジアへの旅行者)
・同年の訪日外国人数は470万人(世界36位、1位はフランス で2300万人)
・ 日本人の海外旅行客の増加と共に海外での被害は増えている。→啓蒙活動の必要性
・ 出国日本人の年齢別割合20~29歳が25%前後だが、被害に会うのはこの年代が30%を 超えている。
→熟年層は旅行前、海外安全セミナーなどで安全に関する基礎知識を得ていく例が多いほか、添乗員つきの比較的安全なパッケージツアーを利用するが、若者は事前の安全に関する情報を得る機会がなく、安売り航空券を利用するバックパッカー型の一人旅が多い。一人旅の若者は寂しさも手伝ってか、話し掛けられるとすぐに反応する傾向があり、狙われやすい。本当は簡単に声を掛けてくるはずがない。グルメやショッピングの情報と同様に安全情報も集めて欲しい。
配布資料 1)「安全な楽しい旅のために」地域別のパンフレット一式
2)海外旅行情報 国際観光振興会の安全な旅のヒント
3)海外旅行での被害件数(外務省・海外邦人援護統計より作成したもの)
20~29歳の被害内訳(多い例)
・ 置き引き(ホテルのロビーに荷物を置く。レストランで荷物を置いたまま席を立つ。いすに上着を掛けておしゃべりに夢中になる。)
・ 睡眠薬強盗(親しげに話し掛けられ、喫茶店につれて行かれ、コーヒー、ジュース、ケーキなどに巧妙に強力な睡眠薬を入れられ、根こそぎ持っていかれる。)
・ 宝石詐欺(道すがらいろいろな人から宝石が安いと声をかけられ(組織的)、信じてしまい、宝石を高く買わされた上、自宅に送るからといわれたきり、音沙汰無し) →日本人は不用心である。日本とは事情が違うことを理解する。10年間同じ被害に遭いつづけている。学習効果なし。泥棒の手口が巧妙になり、集団で組織的に狙ってくる。日本人は被害に遭っても騒がない。
最近の被害例
・ スペイン(マドリッド・バルセロナ)首絞め強盗事件多発。気絶させ、金品、パスポートを根こそぎ持っていく。ヨーロッパ(EU)は、外国人でも一度どこかに入国すれば、あとの国はフリーパスになる。日本のパスポートは信頼性が高いので、高く売れるから狙われる。パスポートの盗難は世界的に増えている。ホテルの従業員の格好をした人が部屋をノックし、警察がパスポートを提出するようにというので預けるとそれっきりなど。スペインでは安宿を探さず、日本から予約していくこと。
・ ホテルから夜飲み物を買いに出て被害に遭う。欧米のホテルには自動販売機がない ので、寝る前に町にペットボトルを買いに出るのは危険。必ずチェックイン前に買っておくこと。パスポートや貴重品はホテルのセーフティBOXに入れ、その日使うお金とパスポートのカラーコピーを持っていくのがよい。
その他・まとめ
・ クライシス(暴動、地震、テロ、戦争、大規模事故)のときはその国の日本大使館、アメリカ大使館、米軍基地に駆け込むこと(危機管理の専門家のアドバイス)
・パッケージツアー者は安否をつかみやすいが、バックパッカーはつかみにくい。心配な場合、3ヶ月以下の在留のときも大使館に届けておくとよい。
・ 海外に行ったら、海外モードに頭を切り替えること。日本の延長のように電車の中で居眠りをしたり、バッグの置きっぱなしにしないなど、自己責任が大切である。(とくに強調された点)されてお話を締めくくられました。
| 取材日 | 2002年6月27日(木)3限目(13時10分から) |
| 教室 | N311教室 |
この授業では、国際観光と政治・経済・文化・社会の関わりの歴史的経緯をたどり,世界最大の産業となった観光が当面する諸問題を取り上げ,世界から日本を見る視点でわが国の観光を考察します。
1.国際観光と政治・経済・文化・社会
2.世界観光が当面する諸問題
3.国際観光のマーケティング