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(掲載日2011.11.11)

経営学部の授業「リーダーシップ入門」でローソンにビジネスプランを提案

牧瀬弘一郎さん(経営学部経営学科1年次)、土屋遼太さん(経営学部国際経営学科1年次)

「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」(以下BLP)は、グローバル社会で活躍できる人材の養成を目的につくられた、経営学部経営学科のコア・カリキュラムです。経営学部の1年次全員が受講する春学期の科目「リーダーシップ入門」(以下BL0)に始まり、3年次春学期のBL4まで、5学期2年半にわたって行われます。前期にはプロジェクト実行、後期にはスキル強化のための授業が展開されています。
プロジェクト実行を学ぶ前期科目は、産学連携により授業を実施しています。今年のBL0では、株式会社ローソン(以下ローソン)より課題を与えられ、経営学部の1年次生たちは、1チーム4~5名のチームに分かれて課題解決に取り組みました。7月19日には全チームが企画内容を競う発表会が行われ、優勝・準優勝チームにはローソンに訪問し、各部署の代表者の方々の前でプレゼンテーションする機会が与えられました。
今回は、8月3日にローソンでプレゼンテーションを行った、優勝チームの牧瀬弘一郎さん、準優勝チームの土屋遼太さんにお話を伺いました。

まず、立教大学経営学部を志望された理由を教えてください。

●牧瀬:父が経営コンサルタントの仕事をしていて、その姿に憧れて経営学を学ぼうと思いました。また、自分で何かをつくり上げることができるのも経営の魅力だと思います。そうしたことが学べる立教大学経営学部を志望しました。
●土屋:私は小学生のころから、法学部に進学し弁護士になることを志望していました。しかし大学への進学を前にし、中学の部活で副キャプテン、高校で生徒会長を務めた経験から、自分は「仲間と協働して何か一つのものをつくり上げること」に満足感や達成感を得るのだと、改めて気づきました。そこでBLPのようなグループでの問題解決型プロジェクトが学べる立教大学経営学部を志望しました。また、私は人と話すことが好きで世界の人とも交流を持ちたいという思いから国際経営学科を選択しました。

BLPは、企業から与えられた課題を、グループ単位で議論しながら解決策を考えていく、プロジェクト型の授業です。これまでの高校時代の授業と比べてどのような点が異なりますか?

●牧瀬:高校時代の勉強は答えが決まっていて、その答えの求め方を勉強すれば、答えは出せました。しかし今回取り組んだような課題に、答えは決まっていません。答えに近づくためのツールやヒントは与えられましたが、答えそのものは自分たちで考えました。これが高校時代の授業と大きく異なる点だと思います。
●土屋:高校時代の授業はディベートやプレゼンの機会はありましたが、基本的に「先生to生徒」の受動的な「勉強」が多かったです。それと比べBLPは「学生to学生」の能動的な「学習」が求められます。この点において高校までの授業と経営学部での授業、特にBLP、EAP(English for Academic Purposes)などは、大きく異なると思います。自分たちで与えられた課題についてディスカッションをし、必要な資料なども自分たちで分担して準備するなど、主体的にアクションを起こさなければ何も進まないのがBLPだと思います。そのため各自が責任を持ってタスクをこなしていくことが求められます。

今年度のBL0では、クライアント企業であるローソンの方より、「18~21歳のローソンへの来店頻度を高める戦略を考えてください」という課題が提供されました。課題の解決に向けて、皆さんのグループではどのような企画を考えましたか?

●牧瀬:私たちの班は「Pontaが木(気)になる!?」という企画を提案しました。簡単に言うと、Pontaカードのポイントを社会貢献のために使う、という案です。ポイントを社会のために寄付すると、ネット上にある自分の「Pontaの木」が成長します。このようにビジュアル化することで自分の貢献度が目で見て分かります。コンビニという業態柄、社名にかかわらず、近くの店舗を利用する人が多い中、ほかではなくローソンを選んでもらうには、このような特別な動機が必要だと思いました。民間会社の調査によると、今回のターゲット層である18~21歳は、ほかの年代より比較的、社会貢献に対して関心が高いことがわかっています。また、ネット上で「Pontaの木」の成長を見るために、何度もローソンを利用する人が増えるのではないかと考えました。このような点も成功の可能性を高める大きなポイントです。
●土屋:私たちはローソンの企業分析を通じて、ローソンが競合他社よりもスイーツ関連商品に力を入れていることに着目しました。しかしターゲット層の学生300人近くにアンケートを取った結果、現状は、“プレミアムロールケーキ”の人気が先走り、その他30商品以上もある「Uchi Café SWEETS」自体の知名度は低いことが判明しました。私たちは、このローソン独自の強み(競合優位性)をどのようにしたら生かすことができるのかと考え、議論を重ねました。その結果、原宿に「Uchi Café SWEETS」のアンテナショップを作り、10代20代の若年層をターゲットにした大々的なPR戦略を取ることにしました。竹下通りにある広告のハイジャックや、有名学生ブロガーを集めた試食会の実施などをローソンに提案しました。

企画を考えていく上で苦労された点があれば教えてください。

●牧瀬:課題を進めていく中で、専門的な知識を問われる場面に何度もぶつかりました。経営学を学び始めたばかりで、問題を解決する手段が限られています。これが一番苦労した点です。
●土屋:信頼関係を築きながら同時にプロジェクトを進行していくこと、メンバー全員がタスクを分担して責任を持って作業すること、議論の中でメンバーの意見を引き出しながら自分の意見を伝えることの3点が今回のBL0で難しさを感じた点です。ウェルカムキャンプ(入学前に行われる経営学部独自の導入プログラム)に始まり、初対面の新入生同士がチームを組みプロジェクトを進めていくことは、信頼関係がまだ築かれていないだけに難しかったです。また議論中に意見が対立した時に、議事進行をしながら自分の意見を伝えることができず苦労しました。チームのメンバーが私に、「信頼しているから言うけれど、私の意見と違うならはっきりと言ってくれた方が嬉しい」と言ってくれたのが転機となり、チーム全体がいい方向へ向かいました。BLP主査でクラス担任であった日向野幹也教授は、「最もレベルの高いリーダーシップは、自分と相いれない他者の強みを最大限に生かすことだ」とおっしゃっていました。今後も続くBLPを通じて自分のリーダーシップと向き合い、より研さんを積んでいけたらと考えています。

お二人のチームは、全クラス合同発表会で優勝・準優勝を果たしました。そして、ローソンを訪問し、役員の方も含めた社員の方々の前で、企画の提案(プレゼンテーション)を行いました。プレゼンを終えた時の率直な感想をお聞かせください。

●牧瀬:社員の方々が自分たちのプレゼンテーションに対して真剣に向き合ってくださったのがとても嬉しかったです。企画の良かったところを挙げて終わりにするのではなく、改善すべき点を指摘してくださいました。実際に活躍している社員の方々からの指摘はとても重みがありました。
●土屋:リアリティーが大学での発表会とまったく異なっていました。「コストがもう100万円低かったら」「本当に若者はスイーツを求めているの」など、ローソンの方々は間髪入れずに質問を投げかけてくださり、常日ごろからローソンの発展のためにご尽力されているのだと感じました。ローソンでのプレゼンを振り返ると、私たちのプレゼンはまだアイデアベースでしかなく、現実味を帯びたビジネスプランとしてご提案するためには、まだまだ下調べもコスト計算も甘いと感じました。ローソンの発展という一つのコンセンサスのもと、さまざまなアドバイス・意見をうかがえ、とても貴重な体験となりました。

企業の活動と大学で学ぶ内容の接点はありましたか?

●牧瀬:企業の活動は、すべてを簡単に説明できるものではないと思います。しかし、その活動の根底には、私たちが学んでいる知識があると思います。こういった点で、大学の授業と企業の活動には接点があると思います。実際に今回私たちが社会貢献に目を向けたのも、経営学部の授業でCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)について学んだからです。この授業の知識がなければ、この案は思いつかなかったと思います。将来社会で活躍するために、授業の内容をできるだけ多く吸収していきたいです。
●土屋:企業は利潤を追求していかなければならないため、アイデアがどんなに良くても、結果的に企業に対して利益や社会的ブランドイメージの向上など、何かしらのメリットが与えられなければいけないという点において、大学で学ぶ学問との違いを感じました。ただ4P(Product:製品、Price:価格、Place:流通、Promotion:プロモーション)や3C(Customer:市場、Competitor:競業、Company:自社)などのビジネス分析ツールは、企業においても活用できると思いました。大学で学問として経営学を学ぶことは、会社に勤め働く日が来た時に「全体を見下ろす視野」と「客観的な視点」を持って自社の状況を分析し、正しい対応ができるようになると思いました。

今後どのようなことを学んでみたいですか?

●牧瀬:ローソンの役員の方に「企画をどう広めるか、どう継続していくか」ということについてアドバイスをいただき、そのアドバイスにとても感動しました。単に企画して終わりではビジネスコンテストと同じです。私は自分の企画を実際に社会に広めて、影響力を与えたいです。具体的にどの分野になるのかは分かりませんが、知識だけの頭でっかちでは終わらないような経営を立教の経営学部で学んでいきたいです。
●土屋:私は外資系コンサル企業で4~5年の実務経験を積んだ後に、アメリカでのMBA(Master of Business Administration:経営学修士)取得を考えています。そのための基礎づくりとして、大学3年次後期より1年間、経営学部の学部間留学制度を用いて長期留学を考えています。それに向け現在は、高いGPAの確保とTOFEL対策に力を入れています。高校時代から部活や生徒会、学生団体の活動などの「実践」を通じて、リーダーシップや組織マネジメントについて考えてきました。大学ではこれらを「学問」として体系的に学びを深めていきたいと思います。経営学部は2年次前期よりゼミが始まります。私は組織戦略論のゼミに入り、人材論と組織論を専攻して学んでいきたいと考えています。また大学の授業とは別に、世界で活躍するために必要な教養を深める努力をしたいと思います。特に日本や世界の歴史、文学、宗教などは積極的に学んでいきたいと考えています。

ありがとうございました。

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