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(掲載日2009.12.9)

東京国際ブラジリアン柔術オープントーナメント優勝

大塚 博明さん(現代心理学部映像身体学科4年次)

2009年11月28日(土)に開催された東京国際ブラジリアン柔術オープントーナメント アダルト紫帯ペナ級(-70kg)にて、映像身体学科4年次の大塚博明さんが見事優勝を果たしました。
この大会は、今年日本国内で開催されたブラジリアン柔術の大会のなかでは最大規模のものであり、世界各国からも多数の選手が参戦し、出場者数は500名を超えました。

ブラジリアン柔術とは、日本人柔道家である前田光世氏が1915年にブラジルに移住し、柔道の技術をカーロス・グレイシー氏に伝授したことがその源流であると言われています。その後グレイシー一族が独自に技術を発展させ、柔道とは異なるブラジリアン柔術の技術体系が確立しました。柔道との違いを述べると、柔道が「投げ技」に重きを置いた競技だとすれば、ブラジリアン柔術は「寝技」に重きを置いた競技であると言えます。日本においても1990年代に逆輸入され、全国各地に道場が設立されています。

大塚さんには、所属ジムであるGRABAKAにて、ブラジリアン柔術にかける思いや情熱、また映像身体学科のことなど伺いました。

東京国際ブラジリアン柔術オープントーナメント優勝おめでとうございます。優勝された感想をお聞かせください。

今年一番大きな大会で優勝することができて嬉しいです。一緒に練習をした人たち、応援してくれたみなさんに感謝しています。

ずばり優勝した秘訣はなんでしょう。

「禁麺」です。僕はラーメンが大好きなのですが、今回は試合の1ヵ月前から禁麺生活を始めました。なぜかというと、ラーメンに限らず、何かの目標を達成するには何かを犠牲にした方がいいと思うからです。そして犠牲にするなら一番好きなものを犠牲にした方が、ハングリー精神が生まれ目標に対していいアプローチができると思います。

また、その結果として、体調的にも良いコンディションを維持したまま試合に臨むことができました。

なぜブラジリアン柔術を始めたのでしょうか?

中学、高校と柔道部に入っていたのですが、高校での柔道部の練習に限界を感じ、何か柔道のプラスになればと思い、ブラジリアン柔術を始めました。柔道と柔術は似ているようですが、実際に柔道の試合で柔術を使うのはなかなか難しいものでした。どんなきっかけであれ、柔術に出会えてよかったと思います。大学に入学してからは柔術だけに専念しています。

大塚さんにとってブラジリアン柔術の魅力は?

ブラジリアン柔術の魅力は「無限の自由」です。

そもそも人間の身体というのは無限の動きができます。柔術をやっていなくても、これまで生きてきたその身体は一回として同じ動きをしたことがないし、しかもまだまだやったことのない動きがかなり多く存在します。柔術はその無限の身体そのものを使って相手と競い合うわけですから、柔術にも無限の可能性があると言えます。その証拠の一つに、柔術の技のバリエーションの多さがあります。柔術を始める時、その無限の可能性から自由に好きなものを選んで闘うことができる、そういう「無限の自由」があるところが柔術の魅力だと思います。

日々の練習や試合のなかで苦労した点があれば教えてください。

僕はあまり練習が好きではありません。毎日のようにコンスタントに練習をしている人たちを見て、いつもすごいなって思います。僕の場合は、この試合に出ると決めたら1ヵ月とか期間を決めて集中的に練習します。自分で決めたその期間内で何をやるか具体的に計画を立て、その課題をこなしていくだけなので、練習そのものに対する大きな苦労というのはあまりありません。

ただ、毎日計画通りにすすめる訳ではなく、「今日は休んじゃおうかな」と妥協する時もあります。その時は妥協した自分に対して情けない気持ちになってへこむのですが、今日ダメだったから明日はがんばろうと気持ちを切りかえるようにしています。

ブラジリアン柔術を通じて学んだものがあれば教えてください。

同じ柔術をやっている人たちでもそれぞれ考え方や生き方が違っていて、良い悪い関係無しに他人を理解して受け入れる、その人の気持ちを考えてあげるということが大切であるということを学びました。柔術が対人スポーツであるからこそ気付くことができたと思います。

現代心理学部映像身体学科を志望した理由を教えてください。

もともとスポーツ系の学部学科への進学を志望していました。しかしこの学科ではスポーツ系の学科ではないにもかかわらず、身体について勉強するというところに興味を持ち、入学を決めました。

実際に学んでみていかがですか?

主に身体学について学んでいるのですが、「私が自分の身体をいかに知らないか」を知ることができました。身体は自分のものなのに私たちはその身体をよく知りません。人間の脳は3%しか使われていないとよく言われますが、脳だけではなく自分の体の中にも使われてないところ、意識したことのないところがたくさんあります。

この学科で身体について学んでからは、日々自分の身体の内を見るように心掛けています。

印象深い授業があれば教えてください。

「身体人類学」という授業があるのですが、僕が身体学に興味を持つきっかけとなったのはこの授業でした。「○○学」と聞くと、昔の難しい本を引っ張り出して、昔の天才学者の言葉を解説して、なんていう授業を想像しがちですが、この授業はそうではありませんでした。アニメ、映画、スポーツ、ダンスなど現在私たちの身の回りにある身近な物事と身体学を結びつけるという、まさに現代を生きる私たちの身体の本質について考えさせられる素晴らしい授業でした。

最後に今後や将来の目標を教えてください。

ブラジリアン柔術を世界規模で少しでも多くの人に知ってもらい、ブラジリアン柔術の素晴らしさを理解してもらうことが今後の目標です。

入学当時、大学生の人たちにも柔術を知ってもらおうと思い、"RikkyoTopTeam"という柔術サークルを立ち上げました。少人数ながら、現在も大学に入学してから柔術を始めたメンバーたちが練習をしています。まずは身近な大学のサークルというところから柔術を広めていきたいと思ってます。

また、最近では都内はもちろんのこと、ほぼ全国の都道府県に柔術のジムがあり、誰でも柔術を習うことのできる環境にあります。

そして、柔術が世界中に普及する一番のチャンスは2016年のリオデジャネイロ五輪だと思います。ブラジルの国技はサッカー、そして柔術。開催国の国技が種目にないということはありえないことでしょう。仮に正式種目とならなくても、オリンピックの補完的な意味を持って行われるワールドゲームズの種目として採用されれば、今後柔術がオリンピック正式種目として採用される可能性も出てきます。

このように、柔術が普及するチャンスは身近な地域レベルから世界レベルまで広く存在します。少しでも多くの人が柔術を知って、あるいは始めて、柔術の素晴らしさを知って幸せになってもらいたいと思います。

どうもありがとうございました。今後ますますのご活躍を期待しています。

【これまでの大塚さんの試合実績】
・第9回全日本ブラジリアン柔術選手権 アダルト紫帯ペナ級(-70kg)優勝
・第3回全日本新人選手権 アダルト紫帯レーヴィ級(-76kg)優勝
・第3回関東ブラジリアン柔術選手権 アダルト紫帯ペナ級準優勝
・ISAMI杯2009 紫帯 第3位
・LUTADOR Gi-1Day Tournament2009 アダルト紫帯ペナ級優勝
・同大会アブソルート級(無差別級)優勝

※取材後日、大塚さんは12月6日(日)に開催された大会「プロ柔術&グラップリング Gi2009」のアマチュアリザーバートーナメントに出場し見事優勝を果たしました。そしてアマチュア代表としてプロ柔術トーナメントにも出場し、準決勝まで進出しました。

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