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劇団桃唄309を運営する劇作家・演出家

長谷 基弘さん(1991年心理学科卒)

立教大学在学中に劇団を立ち上げ、現在も同劇団の代表、劇作家・演出家として活躍されている長谷基弘さんにお話を伺いました。

現在のお仕事をご紹介ください。

劇作家・演出家です。在学中に結成した桃唄309という名の劇団を運営しています。最近はワークショップや大学・高校・中学校、社会人向けセミナーなどで、演劇や劇作を教えることもしています。

海外で演劇の研修をなさったそうですね。

プレイライツセンター(2000年9月)

文化庁の芸術家派遣在外研修というプログラムに劇作家として選ばれ、アメリカのミネソタ州ミネアポリスという都市に1年間滞在しました。具体的には「プレイライツセンター」(劇作家センター)に所属し、戯曲理論の研究をしながら、その機関の仕事を学んでいました。

演劇の一番の魅力と、今まで一番苦労されたことを教えてください。

演劇は大勢の俳優とスタッフ、そしてお客様達による、共同作業の芸術です。この共同作業による芸術という点が、魅力でもあり苦労するところでもあります。演技の上では、俳優同士のコンビネーションが大切ですし、照明家、音楽家、音響家とのチームワークも重要になります。うまくいくまでの道のりは衝突と苦労の連続ですが、それを乗り越え、いいものができ、お客様に感動してもらえた時の喜びは何ものにも代え難いです。特に演劇の場合、やってる方もナマですが、お客様の感動も、作り手側はナマに感じることができます。このことも大きな魅力ですね。

今までお仕事をされていて、印象的だったエピソードがあれば教えてください。

稽古場という創作の現場は印象的な出来事の連続ですが、敢えて一つだけ挙げるとすると、やはりアメリカでのリーディングです。向こうにいる間に英語で戯曲を書き、研修先のプレイライツセンターにより俳優が集められ、リーディング発表をしました。向こうの俳優たちは、私の戯曲を見るのが初めてだったにも関わらず、役とセリフの意味を正確に読み取って演じてくれました。在米中、アメリカの俳優の技術力には驚かされることは何かと多く、日本も頑張らなきゃ、と思いを新たにしました。

立教大学在学中に劇団桃唄309を結成されたそうですが、その経緯などを教えてください。

当時も学内劇団は幾つかあったのですが、自分の戯曲を上演したいという気持ちが強く、学内ポスターや新歓の勧誘などで人を集め、1年生の秋に劇団をつくりました。とは言えその当時は、演劇のことをなにもわかっていませんでした。偶然知り合った内外の演劇経験者に助けられ、旗揚げ公演ができました。

立教大学では2006年度に新学部・現代心理学部を開設する予定です。その中の特に映像身体学科では、演劇、舞踏、ヨガ、整体などの 人間の身体に関わる技法を学び、その知恵と哲学を統合、発展させ、ひとつの理論的学問へとまとめ上げることを目標としています。そういった本学の動向についてはいかがお考えでしょうか?また、長谷さんは、在学中から演劇に取り組まれていらっしゃって、そのころの活動に立教大学が影響を与えたようなことはありますか?

大学で学んだ心理学や、その頃購入した心理学関連の文献が、今になってふと役に立つことが多くて驚いています。特に、自分が専攻していた認知心理学は、芸術表現の上でも応用できたり、また表現上のインスピレーションも与えてくれます。実際アメリカなどでは、戯曲や演劇を認知心理学的見地から分析する試みも行われているようです。
立教大学にそういった学部ができ、身体表現が学問として研究されていくことに、とても期待しています。

長谷さんにとって立教大学はどのような大学でしたか?

もちろん学問の場ではありますが、それとは別に、そこに行けば誰かしらいて、創造的な雑談ができ、お腹が空いたら学食もある(笑)。言うなればそんな「たまり場」のような場所でした。

学生へのメッセージをお願いいたします。

継続は力なりと言いますが、どうやら本当のことのようです。どんなことであれ、やりたい、と思ったことは、ねばり強くやり続け、自分を磨き続けていれば、いつか必ずものになります。私も諦めずに、自分を信じて劇作と演劇をやり続けてきました。これから先も、もっともっと自分を磨いていこう、より面白い作品をつくっていこうと思っています。

◆現在、こまばアゴラ劇場にて、
公演&ワークショップ企画、「『K病院の引っ越し』+アトリエVol.1」
開催中!!(2004年11月11日~28日)

★★ 劇団桃唄309のホームページはこちらです。★★



<プロフィール>
長谷 基弘さん

大学在学中の1987年に劇団桃唄309を結成。同劇団にて、劇作家・演出家・代表として現在も活動中。重厚な物語づくりと、緻密で繊細な透明感あふれる演出が、小劇場演劇界の若手注目株として話題を呼んでいる。
戯曲『私のエンジン』(1997年)および『この藍、侵すべからず』(1998年)が、日本劇作家協会優秀新人戯曲賞に連続入賞(『優秀新人戯曲集』1997・1998(ブロンズ新社刊)」に収録)。
2000年には文化庁芸術家派遣在外研修員(劇作家)として渡米、2001年夏までの1年間、ミネソタ州ミネアポリスにて戯曲と演劇全般について学び、現地プレイライツ・センターにて新作英語戯『Dowser's Daughter』をリーディング発表。この作品は帰国後、自らの翻訳・演出により劇団桃唄309にて『ダウザーの娘』として上演され、第47回岸田戯曲賞の最終候補作となる。

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