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(掲載日2003.12.01)

新しい人生を後押ししてくれた、大学院での2年間

21世紀社会デザイン研究科2年次 佐藤 芳孝 さん

 2004年4月、新しいタイプの専門高校として東京都立千早高等学校がスタートしますが、初代校長は現在立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科に在籍する佐藤芳孝氏です。大学院で研究を行う傍ら、新設高校開設準備に携わるという多忙な日々を送られている佐藤氏にお話を伺いました。(2003年12月)

大学院入学前の経歴を、差し支えのない範囲で簡単に教えて下さい。

20数年ソニー株式会社に勤務し、最後は放送局用システムを扱う事業部門内で統括部長をしていました。そして、2002年4月、都立千早高校開設準備室の校長に転身しました。

なぜ大学院に入学しようと思ったのですか?

様々な価値観があっていいと思っていました。企業が全てではないと感じておりましたし、社会へ別な形で関わりたいと漠然と考えていたのですが、そんな時21世紀社会デザイン研究科に巡り会い、心が動かされたのです。社会デザインという言葉が新鮮であったのと、目指す方向性が明確であったように思います。私の場合は、まず大学院進学ありきではなかったのです。

立教大学大学院(21世紀社会デザイン研究科)を選んだ理由は何ですか。

多くの大学院の中から選んだわけではなく、最初からこの研究科しか考えなかったということです。21世紀社会のあるべきグランドデザインを考えていくためには、我々の足下をもう一度見直していくという行為が前提してあり、また、当事者として社会デザインにコミットするという姿勢も求められるでしょう。まさにこの研究科は、私に多様な価値観を教示してくれる場となっています。

大学院での研究テーマを教えて下さい。

 "新しいタイプの公立高校デザインの試み"です。学校の構想つくりから実際の開設に至るまでのプロセスを研究レポートにします。
  学校(千早高校)は2004年4月から開校となります。

大学院での研究と千早高校の開設準備の両立は大変でしたか?

大学院も公立高校も全く初めての経験で戸惑う日々でしたが、楽しくもありました。毎日が刺激を受けることばかりでしたので、大変さを感じることはありませんでした。ただ、自宅が遠いこともあって毎日帰宅が遅くなり、講義に出る前の準備が十分できなかったというのが反省としてはあります。

間もなく千早高校はスタートしますが、今はどのような準備をされていますか。

今まで構想作りから広報まで幅広く活動してきました。10月(注1:2003年10月)からは、毎週、学校説明会を開催し、本校の特徴を十分理解してもらうために、中学生や保護者の皆様方と直接対話をすることに時間を割いてきました(注2:説明会は12月13日で終了しています)。
  現在は、学校運営に関わる体制作り、シラバスの作成、入試準備等が中心です。

千早高校は新しい形式の専門高校として注目されています。佐藤さんご自身はどのような学校にしたいとお考えですか。

いろいろ制約はあるというのが公立高校への見方ですが、私は、制約があるからこそ独創性が求められると思っています。他の公立高校だけでなく私立高校と比べても特色がなければならないと思っています。それは際だった差異のある専門性に富んだ教育サービスの提供であり、誰もが暖かみを感じられる学校文化の創造であり、そして、陋習を打ち破る新しいスクール・マネージメント・スタイルの確立だと思っています。
  今、元気のない専門高校ですが、常に時代の先端を走るのが我々の役割だと思っていますので、その実現に向けて邁進しているところです。

学生生活の話に戻りますが、大学院の2年間で最も苦労したことは何ですか。

特に苦労したということはありませんが、仕事もあり、学内外の様々なセミナーやフィールドワークにあまり参加できなかったのが残念です。

大学院の2年間で得たものは何だと思いますか。

刺激的なテーマを与えられ"生き方、関わり方"を学んだように思います。加えて、これは他の方々も同様だと思いますが、自分のヒューマンネットワークが格段と広がったことです。ご支援頂いた大学院の先生方、社会デザインに真剣に取り組む学友達とは今後ともお付き合いしたいと願っております。

大学院での研究を今後どのように繋げて行きたいと考えていますか。

2年間は短く、これからがスタートだとも思っています。現在千早高校において、指導教授の中村(陽一)先生や一期生の方々の協力を得て、"高校生のためのNPO学"の導入を検討しているところです。将来は、授業で使う副教材も編集するつもりです。21世紀社会デザイン研究科の支援があって初めて可能になるプランです。

今後の抱負を教えて下さい。

何よりも、都立高校の中で、特異なポジションをえる高校を作りたいと思っています。実は、"とにかくこの学校の雰囲気(といっても教員のチームワークの事だと思います)がいいから是非入学したい"という中学生に会います。これは大切なことだと思います。偏差値だけで測ることのできない魅力をもつ学校ですね。
 公立にもこういう学校があるんだということを証明したいと思っています。

最後に、佐藤さんにとっての「立教大学(大学院)」は?

21世紀社会デザイン研究科ということになりますが、私の新しい人生を後押ししてくれたところです。今後も様々に異なるバックグランドをもつ方々に入ってきて欲しいと思っています。

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