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概要

20150714rikkyo

② 「Roles and Challenges of Family Farming in a Changing World―Lessons from HLPEReport―」報告 ピエール・マリー・ボスク氏【報告内容】家族農業を考える際に重要な点は、家族の存在が基本的な経済活動を支える重要なものであるということと、農場の広さが唯一の資産ではなく、社会的・人間的資産も重要な役割を果すということである。小規模農業は、その国の成長、食料保障においても社会的な役割においても非常に重要であるが、小規模農家が直面するリスクとして、資産レベル、市場へのアクセス、制度があり、特に、制度がうまく機能していないとそれ自体が小規模農業にリスクを与え、他のリスクを作り出す原因ともなる。政策を変えることができれば、小規模農業をなくす方法をとらずに農業の今後のあり方を変えていくことができる。様々な形の資産に投資することがカギとなり、農業の規模及び面積だけが重要なのではない。そして、投資の質を上げるために、必要不可欠になってくるのが集団行動支援への投資、ルールや規則への投資、開発戦略への投資である。特に、政治的な意志、国レベルでの戦略がなければこれは可能ではない。そして、政治的な意志と戦略の中には、小規模農業が今後の課題として適切に位置づけられ、この先実施される政策やプログラムの中にも位置づけされることが重要である。③「A Future of Strategy from Sustainability of Family Farming」報告 Jean-Michel Sourisseau 氏【報告内容】従来の発展モデルの観点から行われてきた農業の近代化は環境上の限界と脅威が明らかになっており、経済面においても環境面においても持続可能ではない。今まで行われてきた農業の開発の結果、生産性の大きなギャップ、雇用問題などが生じており、これを改善するためにはパラダイムのシフト(家族農業へ)が必要となる。家族農業とは、家計と生産のユニットがつながっていることであり、3 つのカテゴリーに分けられる。1 つ目は家族の領域と生産活動が有機的なリンクを持ち、家族の労働だけを活用し、長期契約労働を排除する形態の農業である。2 つ目は家族農業の要素を持ちながら企業農業の要素を持ち合わせたものであり、家族の労働者だけではなく、契約労働者も働いている。最後に、企業農業になると、家族とは完全に縁を切って、労働は全て契約労働者によって担われる。このような家族農業の定義のもとで、家族農業が世界の生産へどのように貢献しているのかを事例から分析してみると、家族農業は世界において少なくない量の食料を提供している。また、農業に携わっている13 億の労働者のうち、大多数が家族農業を営んでいる。家族農業の社会的役割も非常に重要である。社会の団結、家族の団結というのは社会のセーフティーネットをつくるうえでも欠かせない要素である。古いパラダイムから新しいパラダイムへシフトするためには、まず、第1 に、小規模農業経済の自律性を広い意味で再発見すること、第2 に、家族農業の役割を強化するための政策のミックス、最後に、オーダーメイドの発展戦略が必要である。65