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概要

20150714rikkyo

続いたが、プーチンが大統領になって2000 年代は高い成長率を記録した。この経済成長は豊富なエネルギー天然資源を保有し、エネルギー輸出に依存する経済構造になっていることと関係している。2000 年代に資源価格が上昇し、エネルギー輸出は増大、ロシア経済の高成長が実現した。資源価格上昇によるエネルギー輸出増大が国内需要の増大および経常収支の黒字を支え、高い成長率を支えた。現在の経済課題は、資源依存型経済からの脱却である。2008 年の経済危機の際は原油価格の下落による輸出激減が急激な株価下落および通貨下落につながり、外国資本が逃避し、国内経済は危機に陥った。国内は金利が非常に高いため、国内企業は資金調達を海外に頼らざるを得ない構造になっている。この危機の後も、資源依存型経済から脱却できていない。プーチンが大統領になった際、資源依存型経済からの脱却を宣言し、国民もそれを期待したが、実現していない。2013年のデータは輸出の7 割以上を資源(石油・ガス)の輸出に頼り、国家歳入も5 割近くを資源に頼っていることを示している。2014 年現在、ロシアは通貨安・株安・債券安のトリプル安に陥っている。通貨安の背景には、ウクライナ危機による欧米の対ロシア制裁の影響で投資家のルーブル売りが進んだこと、資金調達が困難になった企業が外貨の確保のためにルーブル売りに奔っていることがある。また株安の背景には原油価格下落がある。現在の経済状況は、様々な指標を総合的に判断すると2008 年のリーマンショック時までは悪くなっていない。しかし、当時と比較して状況が大きく異なっているのは、ウクライナ問題の関係から欧米の対ロシア経済制裁が発動されていることである。そこでロシアは、欧米への依存を減らし、アジア(特に中国)との関係を重視する姿勢をみせている。これまで西シベリアからのパイプラインはヨーロッパに向いていたが、これをアジアに向ける案や西シベリア・東シベリアからアジアにむけて新しいパイプラインを建設しようという動きがある。ロシアは中国だけでなく、日本との関係も深めたいと考えている。現状の日露間取引は、日本からロシアへの輸出は輸送機械(主に自動車)の割合が高く、ロシアから日本への輸出は7 割以上がエネルギー資源である。今後、ロシアは特に日本の技術を欲している(特にLNG の分野等)。報告 ▽新保芳栄氏(東京国際大学非常勤講師、元日本銀行考査役)「戦後日本の金融機関行動の特徴とリスク管理態勢」【報告要旨】戦後から1980 年代の日本の金融経済構造の特徴として、間接金融優位の資金供給方式が挙げられる。その中で、銀行経営は金利面と業務面の規制によって保護されてきた。必ず一定の利鞘を確保できるうえ、新規参入・競争が制限されていたことから、銀行は不況を知らない業種として安定的な発展を遂げることができた。そこでの銀行行動の特徴は、量的拡大主義と横並び主義、行政依存・守旧体質等が指摘される。80 年前後以降、金融構造が大きく変化し、保護体制の護送船団方式から自由化・国際化・証券化が進展することとなったが、銀行はそれに応じた態勢転換を図ることができず、規55