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概要

20150714rikkyo

(Downward & Mearman、Dow など)。報告 ▽岩崎俊夫氏(本学経済学部教授)「現行消費者物価指数の問題点」【報告要旨】① 現行CPI はラスパイレス式で計算されているが、ラスパイレス自身は加重平均法にも指数計算のウェイトづけに関心がなく、現行のように家計調査のデータを使っていなかった。いつからそうなったのか。加重平均算術方式を定式化したのは、ドロービッシュである(1871 年)。ラスパイレス自身は加重平均算術方式に関心がなく、単純平均算術方式による指数計算を使った(後に加重平均算術方式を採用)。指数計算には、ハンブルグ商品取引所の取引額を利用した。一方で家計調査はエンゲルによる家計簿調査によって、家計資料を利用する道が拓かれ、今日にいたっている。現時点では、物価指数の計算にいつから家計データが利用されるようになったのか、最初のそれを試みたのは誰かに関する答えは不明である。② CPI の前身は生計費指数であった。いつから、いかなる理由で生計費指数は、消費者物価指数と名称を変更したのか。指数作成の初期は、「一般的交換価値」の測定、貨幣の購買力の測定という目的をもっていた。これらは新たな金鉱の発見や戦争による価格変動を測定するものでもあった。生計費指数作成の要請は、こうした目的とは別途に存在し、主に労働者家計の実態を知るという目的の下に発展してきた。第2 回ILO 国際統計家会議決議(1925)では、生計費指数の作成が要請されていた。その後、アメリカでの指数論争等を経て、第6 回ILO 国際統計家会議決議(1947)では、生計費指数から消費者物価指数への名称変更が決議された。名称変更に伴う根拠は希薄であった。日本の生計費指数も1946 年に消費者物価指数へと名称変更がされたが、これはGHQ の指令の下に実施されたものであり、連合国の占領下にあった当時の情勢から余儀なくされた。③現行CPI は結局、何を測定しているのか。②から、CPI はその根拠が希薄なまま生計費指数から名称変更された指数であり、CPIを作成する総務省の見解(生計費の変動を測定するものではない)とはことなり、生計費指数的な性格を残している。一方で、新統計法の下、(やや誇張的な表現ではあるが)すべての統計は国勢統計と国民経済計算に合致する形で設計することが要請され、CPI も例外ではない。④現行消費者物価指数が普遍的な指数となるか。たとえば、東大日次物価指数はPOS データ(販売価格に関するデータだけでなく、販売数量に関するデータも含む)を利用して、日次の物価指数を公表できるとするものである。このような動きは、物価指数の新たな動きであるが、今後中身を検討する必要がある。52