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概要

20150714rikkyo

大のためにその供給部分で足りない部分を輸入で補う必要であるというのであれば、したがってその結果として経常収支が赤字でも大きな問題にはなり得ないということです。例えば90 年代後半のアメリカでは経常収支赤字が猛烈な勢いで拡大し始めたが、その赤字の原因であるドル高下の低価格の中間財輸入拡大が、インフレ台頭を先延ばししながら好景気を持続させる一種の要件となっていました。もちろん、こうした理解にはアメリカの基軸通貨国の特殊さやこの構図を支えた金融メカニズムなどいくつかの評価の分かれる課題を含んでいるでしょうが、購買力の流出というマイナス要因である経常収支の赤字を上回る内需拡大に寄与するのか否かが問題とされるべきであって、赤字転落という事態そのものに大騒ぎするというよりも、それによって国内で何が生じ、あるいはどんな変化がもたらされているのか、ということに着目しなければならないということを、これは典型的に示しているのではないかと思います。そう考えれば、経常収支の黒字と経済成長を同一視したり、逆に赤字で成長が止まるなどと悲観したり、経常収支の赤字を国の経済力の衰退と見なしたりすることが、意味のないことであることも見えてくるのではないかと思います。ただ、この点については、私自身がまず、分析を進めていかなければならないとも考えています。時間を超過してしまいました。報告は以上です。ありがとうございました。34