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概要

20150714rikkyo

ール金融収支赤字、すなわち資本流入だというわけですが、金融収支赤字が意味するところは、この表(補足資料2)にもみられるように、対外資産の減少あるいは対外負債の増大です。円建てで決済しているのであればともかく、外貨で貿易決済しているのであれば、アメリカに持つ対米預金からの支払である「金融資産の減少」が進んだことを表わすことになりますから、“ 投資された”、“ お金が入ってきた” と考えることはできないでしょう。補足資料2また、経常収支は国内貯蓄投資バランスの単なる残差なので、さらには海外への資金の投融資なので良し悪しはないというのですが、アメリカの輸入業者から日本の銀行に資金が、代金が振り込まれるとすれば、銀行からすれば海外に持っている金融資産がその分だけ増えるのと同時に、それに見合う円資金を輸入業者の銀行口座に入金されるのですから、これはもう国内のマネーストックに影響を与えざるを得ないことになります。逆の場合もまたしかりです。現在では、為替リスクのヘッジや手数料削減のために受け取ったドルの一部をそのまま保有するという場合もあるでしょうが、経常収支の赤字、黒字、したがってそれに伴う金融収支の赤字や黒字というのが、国内の通貨量と国内経済に影響を与えざるを得ないと考えられるわけです。4.財政赤字と経常収支赤字ところで、以上のように見てきたIS バランス論の結論としての「赤字問題なし」という見方とは対照的に、それを財政赤字の観点から考えた場合には深刻な問題であるという見方が多数派となります。その懸念はたとえば、企業や家計の資金不足に良し悪しはないが、財政の収支というのは政府が意図的に決めるものなので、民間部門の資金配分を歪める原因にもなりかねない。あるいは、財政赤字が十分に削減されなければ、経常収支の黒字は構造的に縮小していき、国債の償還は海外に依存せざるを得なくなる。そうなると利払いが増えて財政の国際的信用を損ない、財政破綻リスクが高まるという懸念です。ご存じのように政府の貯蓄不足が日本全体のそれを独り占めしていますし、こうした見方は日本の債務残高が拡大するにつれて大きくなっています。では、経常収支の黒字減少は財政赤字の反映なのか、経常収支と財政収支について考えてみたいと思います。第一に、両者に密接な関連があるとして、経常収支の黒字が再度拡大したとすれば、日本の財政赤字は縮小するのでしょうか。残念ながらその道筋は不明です。むしろ財政黒字になったとしても、経常収支は悪化しさえする場合もあるからです。また第二に、懸念材32