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概要

20150714rikkyo

金貸借、投資をしていることは疑いのないことですが、その利益の獲得を目的とした投資家による対外投資と対外投資受入れとの差額が経常収支なのではなく、金融収支は、経常収支の金額を反映したものでしかないのです。もちろん投資の内容やグロスの投資規模は、国内の経済に大きな影響を与えますし、リーマンショック前夜に欧州金融機関が直面した事態から明らかなように、グロスの投資を把握することは重要です。またもちろんそれはときどきの為替相場に影響を与えます。しかし、ここで事実なことは資本収支がどれだけ巨大でも、フローである経常収支の量は金融収支から決まるのではなく、経常収支が金融収支を規定するという関係です。補足資料13-2.「経常収支は国際貸借である」という考え方について次に、いま一つの課題です。たとえば経常収支の黒字は、同時に資本収支の赤字、したがって海外資産の増加を意味します。これは、IS バランス論から言えば、国内の貯蓄超過が海外への投融資を通じて海外での資本蓄積に充てられているということを意味します。逆に、経常収支の赤字は、国内貯蓄が不足していることから、海外資本を取り入れているということを意味していると理解されることになります。つまり、経常収支の赤字とか黒字というのは国際的なお金の貸借に過ぎず、したがって経常収支が良い悪いというのは、国際的な資金貸借が悪いといっているようなものであるとなるわけです。ただこのことについてはまず、先ほどの例を思い出していただきたいのですが、あの経常収支黒字100 というのは、輸出の見合いとして、たとえばアメリカに輸出すれば、輸出業者の預金口座からアメリカの銀行にある口座に資金が振り込まれた移動です。確かに海外にある金融資産が増えますので、これを投資と見ることもできないわけではありません。しかし、その中身まで考えるならば、輸出の代金というのが支払われたということが、金融収支の黒字ということの中身なのであって、それを投資あるいは融資の結果として理解することはできないでしょう。つまり、貿易収支黒字や経常収支黒字は確かに「海外への投融資」となるわけですが、それはあくまでも利益を追求しておこなわれるところの投融資ではなく決済なのです。別の角度から今度は経常収支赤字の場合を考えてみたいと思います。経常収支赤字イコ31