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概要

20150714rikkyo

では、この職種はどのような労務管理が妥当なのかということが、もっと社会的に表現しやすくなってくるのだと思っているのです。ですから、そのジョブ型というもののイメージが、企業内のあるカテゴリーではなくて、社会的なあるカテゴリーになるような、ある種の客観条件が出てきているのかなと私は考えております。そうすると、内部労働市場が優勢な産業と、もう外部的にしか労働市場が生成しないような産業に分けて、その対策や労使関係のあり方、法規制のあり方の有効性を議論しなくてはいけないのではないかと私は考えております。これにたいして、神林氏から以下の応答があった。 ジョブ型正社員に関しては、今野さんの話に私は全く同感です。これは前に厚生労働省の研究会に出て報告に書いたのですけれども、例えば、ワークライフバランスを充実させるために、いったんラインから外れる、みたいなジョブ型正社員というのは、実質機能しないというか、ただの正社員だと思います。一時的に労働条件を変えるというだけの話であって、ジョブ型でも何でもないということです。ジョブ型正社員について考えなければいけないことは、そのジョブにどれだけコミットしているのかということです。これでは、簡単に乗り換えられてはだめなのですよね。乗り換えるときにはそれなりのコストを払って、決意をして乗り換えないと、ジョブ型などというのは成立しないはずなのですけれども、自由に乗り換えられるジョブ型正社員をつくりましょう、みたいな話が出てきていて、それは形容矛盾だと私は考えています。なので、1 つの会社の中でジョブ型と正社員を乗り替えるようにするというのは、やはりそれはロジカルに言って無理だというのが私の考え方です。 ただ、では、そのジョブ型正社員というのが、いわゆる外部労働市場というようなものを使って成立し得るのかというのは、私自身は非常に疑問視しています。欧州やアメリカで今何が起こっているかというと、今までジョブで雇用していた人のジョブを外して、日本的な正社員に転換させるわけです。多能工化させて付加価値を生み出していこうというビジネスが成長してきている。なので、日本はいわば逆方向。1 周遅れて先頭に立っていると僕はいつもヨーロッパで言うのですけれども。ここで神林氏が言及されている外部労働市場については、質疑応答のなかで大沢氏によって次の指摘がなされた。 労働組合は、それぞれの組合が組織範囲を自分たちで定められるはずなので、非正規の組織化というのは十分できるわけです。現状の企業別の組織形態というのは、別に自然発生したわけではなくて、1920 年代に権力的に誘導されたものです。どういう組織形態の団結の争議行動に適用するかどうかというところで、企業別の組織形態を誘導したのです。それ以前の日本の労働者というのは、労働組合たるもの、企業横断的でなければ労働組合ではないというのが常識だったわけですし、経営者もそう思26