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概要

20150714rikkyo

響を及ぼしている。例えば、アフリカのモザンビークでは日本政府がかかわってプロサバンナ援助計画というODA を行っており、1400 万ha の大規模農業開発を日本政府が推進している。つまり、日本政府のODA は大規模農業の推進と日本企業の利益を優先して行われている。こういう形で、われわれは国内だけではなく、国際社会の中でもどういう運動をするのか、活動するのかが問われている。最後に、日本への示唆において話す。今、国際家族農業年ということで国際社会は家族農業の意義や役割を見直そう、再評価をして支援しようと動いている中で、日本の農政はそれに逆行していると思われる。これをいかに変えていくか。小規模家族農業に対する政策的偏見を排除し、その役割や可能性を再評価するという機運を盛り上げていかなければいけないかと思う。そして、安倍首相が家族農業をしっかり支援していきたいと言ったが、本当に支援していくためには小規模家族農業に対する中・長期的な国家戦略を策定し、そのための予算を配分することが何よりも重要である。そして、小規模・家族農業の実態を正確に把握するための統計の整備も欠けない。小規模・家族農業が政治的プロセス・政策形成に参加できるような透明性の高い政治プロセスというものを実験していけなければならない。例えば、TPP 交渉において、議論の中身が影響を受けるわれわれに全く伝えられていない。日本がどこまで妥協してしまったのかなど。小規模・家族農業を再評価、そしてそのための政策形成を進めていくためには、民間あるいは新しい主体の形成と組織化、そして色んな主体の連携が課題である。新自由的なモデルが戦後農業の中で支配的であったが、それに代わるオルタナティブを模索していけなければならない。新自由主義を超える説得力あるいは社会的な正当性のある新しいモデルを提示できるかどうかが今後のカギになると思われる。国際農業年もこの1 ヶ月ぐらいで終わってしまうが、もう終わってしまう風に残念がるのではなく、2014 年を小規模・家族農業を見直していく運動を形成するための始まりの年にしよう。ご清聴ありがとうございます。Pierre-Marie BOSC 氏)「Roles and Challenges of Family Farming in a Changing World―Lessonsfrom HLPE Report―」というテーマにおいて、小規模農業における問題及び特徴などを紹介する。私は国連の報告書の執筆者らの中でリーダーを担当しており、HLPE 報告書及び執筆者らの説明をしたい。HLPE(専門家ハイレベルパネル)はCFS(世界食料保障委員会)の2009 年の改革から生まれた。2009 年の改革に関して2 点を説明すると、1 点目は、この改革により市民組織、農民組織、NGO、民間セクターの参加が可能になったことであり、2 点目は、農業に関するいろいろな議論を呼ぶようなテーマを扱うレポートが頻繁に製作されるようになったことである。9