経済学研究科からのお知らせ

研究者としての誇りと自信を胸に

新入生の皆さん

ご入学おめでとうございます。皆さんはこの4月から立教大学大学院経済学研究科で研究を始めることになりました。大学院での学びには2つの側面があります。1つは今まで大学で学んだ知識をさらに深めるために、より高度な学問を学ぶという側面と、もう1つは新たな知見を探求・発見するために研究に勤しむという側面であり、この研究に勤しむ視点こそ大学とは大きく異なる点です。

皆さんは「最高学府」という言葉を知っていると思います。この言葉は、最も程度の高い学問を学ぶ学校のことであり、通常は大学を指します。しかし以前のように大学卒業即社会人ではない選択肢が広がったり、大学全入時代が到来した結果、大学での学び自体が大衆化し、そこでの学びがゴールでなくなってきた今、最高学府とは大学院であると断言しても決して言い過ぎではないでしょう。

逆に、大学院で何を研究したのかがこれからのグローバル化時代には必要なキャリアになっていくでしょう。その際新入生の皆さんに是非心がけてもらいたいのは、「大学院研究科」に入学したという意味です。研究科とは文字通り研究をするところ、新たな価値・知見を探求する場所だということです。ですから先ほど述べたように、単に更なる知識を身に着けるという受動的姿勢ではなく、自ら新たな研究課題を発見し、それを追及していく開拓者としての主体的姿勢が望まれます。そのために必要ならば、研究者である我々教員や志を同じくする仲間と時間を惜しまず討論し、過去の研究蓄積・成果を身に着けるために多くの文献を渉猟し読破していくことも必要となります。

そして最終的には、自らの研究成果を論文という形でまとめ上げ、社会の発展に寄与できる研究成果を上げることが求められます。その際、皆さんに是非注意して頂きたいのは、昨今世間で騒がれているSTAP細胞論文を巡る不正・捏造問題です。研究とは真理を探究することであり、現在の研究成果とは過去にそれを発見し提案した研究者の成果であります。それを十分証明されていないもの、根拠づけられていないものをねつ造したり、他人の論文をあたかも自分の論文であるかのように使用することは明らかな不正行為であります。研究者に必要なことは、過去の研究成果を尊重しつつ、その成果を踏まえ新たな研究成果を生み出すことです。そのためには、自らの研究が過去の過去のどの研究成果に依拠して進めているのかを明らかにし、過去の研究成果とどこが違うのかを明示することが求められます。そのために必要ならば、引用もし参考したことを明示することが求められます。それは決して恥ずかしいことでもなければ、逆に先ほど述べた過去の研究成果に対する正しい取扱いなのです。

皆さんにはそうした研究者としての倫理観・道徳心も身に着けてほしいと思います。これらの要求を踏まえ2年間あるいは3年間で論文を書き上げることは決して楽なことではありません。時には、研究を投げ出したくなることもあると思います。そのような時は、立教大学大学院経済学研究科の入学試験に合格して、本日この場にいるということを思い出して下さい。私たちは、皆さんが経済学研究で研究成果をまとめ上げることができると考え、合格を出したのです。ですから皆さんには、その能力があるのです。大事なことは自らの能力を信じることです。私たちは、その能力がいかんなく発揮できるようお手伝いするつもりです。だからこそ皆さん一人一人には指導教授がついているのです。指導教授とは、単に皆さんが在籍している間研究に限らず、様々な問題についても親身になって相談してくれる教員のことです。その教員と二人三脚で論文を仕上げ2年後、3年後には胸を張って経済学研究科を巣立ってくれることを期待しています。そのために共にがんばりましょう。

最後に改めてご入学おめでとうございます。

経済学研究科委員長
郭 洋春

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