第1回立教大学医学物理セミナー

題目 :重粒子線治療と関連する物理と生物学的研究

講演者:群馬大学重粒子線医学研究センター
     金井達明氏,吉田由香里氏
日時 :2013年5月24日 15:00~16:30
場所 :立教大学4号館4408号室

講演概要:
 重粒子線治療は米国ローレンスバークレー研究所におけるパイオニア的研究に始まり、放医研およびドイツGSIに受け継がれ、現在では本格的な炭素線を用いた治療が放医研・群馬大学・兵庫県立粒子線センター(陽子線と併用)で行われています。特に放医研では現在までに7,000人以上の患者を治療し非常に良好な治療結果を得ています。この非常に有望な先駆的研究を受けて、群馬大学でも炭素線を用いた重粒子線治療が2010年から開始されています。
 重粒子線治療は、臨床的には非常に良い結果を得ていますが、科学的には解明すべき点が多々残されています。治療の効果を決める要素として治療部位への線量と生物学的効果の大きさが治療場の様々な粒子のエネルギー、というより阻止能またはLET(単位長さあたりの吸収エネルギー)によって決まる治療場の線質の二つがあります。これらの要素を完全に考慮した治療は未だ達成されていません。あるいは、治療部位を正確に照射する技術も完全とは言えません。特に呼吸性移動する臓器への照射には問題点が多いのが現状です。このように、より高精度で効率的な重粒子線治療を実行していくためには、物理的・生物学的研究が重要になってきます。
 以上のような現状の重粒子線治療の紹介をして、若い学生さんや研究者に興味を持っていただければと思います。

セミナー世話人:立教大学理学研究科 洞口拓磨
連絡先:03-3985-4602 (内線:4602)