立教の新体制スタート
— 総長・副総長が語る「これからの立教大学」

2018/05/21

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OVERVIEW

2018年4月1日、経済学部の郭洋春教授が第21代立教大学総長に就任しました。併せて5人の副総長が任命され、新たな運営体制がスタートします。今回は新総長・副総長による座談会を開催し、立教大学のさらなる発展に向けた構想を語っていただきました。

変化の連鎖が起こる活気に満ちた大学へ

郭 洋春 総長 大山  秀子 副総長(研究推進担当)

(左)郭 洋春 総長(右)大山 秀子 副総長(研究推進担当)

池上:統括副総長を務めます、経済学部の池上です。本日は新執行部の一人一人に、今後の立教大学が目指すべき姿や具体的な構想について語っていただきます。まず郭洋春総長、就任にあたっての抱負をお聞かせください。
:「自由の学府」を掲げる立教大学は、一人一人の自由な発想や行動を伝統的に尊重してきました。この強みを生かして本学が次のステージへ進むためには、自由に躍動する個性が向かうべき指針をより明確に示すことが必要です。多様な個の力が結集し、全学として一つの方向を目指すことで、立教大学はさらに大きく飛躍できると考えています。
その道筋をつくるため、この4年間で「3つのC」に取り組んでいきたいと思います。一つ目は“Creative”で、学生や教職員が創造力豊かなアイデアを積極的に出し合うこと。さらに、それを形にするためには“Challenge”が求められます。そしてクリエイティブな発想を実現すべく絶えず挑戦を続ければ、必ず立教大学はいい方向に“Change”、変化するでしょう。
今回、副総長の方々にはそれぞれ立教大学の発展に不可欠な柱となる役割を担っていただきます。各自が「3つのC」を体現して自由な発想を大胆かつ繊細に実践し、一つの方向へと進んでいけば、立教大学は目に見える形で変わっていきます。それに触発されて学生・教職員一人一人が変化し、学内の至る所で新たな試みが始まれば、大学全体に活気が生まれます。学外から見ても変革の風を感じられ、期待感を持てるような大学運営に取り組んでいきたいと思います。

多方面で新たな改革を

池上:新体制では、私の他に4人の副総長が郭総長をバックアップしていきます。それぞれの具体的な役割と、今後へ向けた抱負をお話しください。
松尾:教学運営、キャンパス連携を担当するコミュニティ福祉学部の松尾です。我々が取り組むべきことは、創立以来大切にしてきた「歴史軸」と「現代課題軸」とが交差する点にあると考えます。立教大学として現代社会に山積する諸課題にどう応えていくのかを問いながら、新しい教学の在り方を検討していきます。また、小中高大の一貫連携教育においても、より高い次元を目指し、大学が果たすべき責務を全うしたいと考えています。
キャンパス連携の鍵となるのは新座キャンパスの活性化です。1998年に観光学部とコミュニティ福祉学部が、2006年に現代心理学部が設置され、「ヒューマンキャンパス」を標榜してきた新座キャンパスは、まだまだ計り知れないポテンシャルを秘めています。新座をスポーツ・文化の拠点、地域連携の拠点としてより進化させ、魅力ある滞在型のキャンパスづくりができれば、池袋キャンパスとの活発な相乗効果が生まれるでしょう。「新座が輝けば立教が輝く」をキーワードに、さらなる拡充を図っていきたいと思います。
:人生100年時代と言われます。新座キャンパスを拠点とする3学部は、まさに人生を豊かに過ごすという時代の要請に応えられる存在です。
大山:研究推進を担当します理学部の大山です。立教大学の研究活動をいま以上に活性化するためには、研究・教育、これらを支えるアドミニストレーション(運営・管理部門)のすべてが協調し合うことが重要だと感じています。それを踏まえて、本学が研究・教育の両面で他を牽引するリーディング大学として際立っていくための新しいこと、社会における本学の存在価値を大きく高めていけることを構想したいと考えています。
私自身は副総長を務める傍ら、研究活動を多面的に支援するリサーチ・イニシアティブセンター長の任も担います。センターの職員と新たな形で協働できることを楽しみにしています。また、子どもを持つ一人の親として強く感じるのは、立教に入学した学生が卒業したときに「立教に入って良かった」と心から思える大学にしたいということです。そのために、副総長の一員としてベストを尽くしたいと思います。
:立教大学は個人研究が目立っていますが、今後は、理学部などに土台がある共同研究で大学全体の研究のボトムアップを図っていただきたいと思います。
池田:国際化推進担当を務める、異文化コミュニケーション学部の池田です。国際化は、教育・研究、学部・大学院、その他あらゆる領域に関わるため、関係する方々の協力がなければ到底実現できません。まずは国際化推進が急務である理由、それによって学生が享受するメリットを説得力のある形で提示し、学内で共通認識を醸成することから始めたいと思います。
ことに国際化を進めるためには、立教大学らしさを残しながらも、これまで堅持してきたものを変えていく勇気が必要です。また、加速度的に変化する世界の動きに対応するためには、スピード感も欠かせません。さらに最も重要なのは、欧米だけを基準とするような国際化ではなく、立教が目指すべき国際化の軸を正しく見極めることであり、その軸に沿ってすべての取り組みを進めていきたいと考えています。
:立教大学が掲げる国際化は他の大学や企業、社会に影響を与えるような形を目指したいところです。
また、大山先生と池田先生には、女性初の副総長として、女性の視点を生かすことも期待しています。
野澤:大学院および社会連携を担当する、法務研究科の野澤です。まず大学院の課題として、学部とのより緊密な連携が挙げられます。これまで日本では、大学院教育と学部教育は別個のものと考える傾向がありました。しかし海外の事例なども踏まえると、これからの大学院は学部の延長線上に捉えるべきであり、研究者養成の場に留まらない多様な展開を視野に入れて、学部との結びつきを強めていく予定です。
加えて、時代の変化とともに、社会人が学び直す場としての大学への期待も高まっています。本学では1979年に法学部が全国に先駆けて社会人入試をスタートさせ、2008年には50歳以上のシニアを対象とする立教セカンドステージ大学が開設されました。時代を先取りしてきた実績を生かしつつ、次なる発展の可能性を探っていきます。
その先に本学が目指す社会連携があります。これまでの地域連携の取り組みを強化しつつ、幅広く大学と社会を結ぶ形を検討していきます。
:立教大学が先進的に取り組んできた社会連携をさらに時代のニーズに合う形に発展させていきたいと思います。

柔軟に連携し大学の使命を果たしていく

松尾  哲矢 副総長 (教学運営・キャンパス連携担当) 野澤  正充 副総長(教学運営・大学院担当)

(左)松尾 哲矢 副総長 (教学運営・キャンパス連携担当)(右)野澤 正充 副総長(教学運営・大学院担当)

池上:ご担当いただくテーマは、それぞれ今後の立教大学の発展に欠かせない重要な視点です。横断的な課題もありますので、担当を超えた部分でもご意見をお聞かせください。
池田:これから各自が具体的な施策に着手するうえで重要なのは、郭総長が示される方針を共有し、幹に沿ってプランニングすることだと思います。知恵と力を結集し、同じ方向に進んではじめて、描いたビジョンがより強いメッセージを持って学内外に発信されていくからです。
松尾:そのために必要なのは、担当の枠を超えて、すべての課題に対しておのおのが当事者意識を持ち、協力関係を築くことです。それにより個々のプロジェクトに統一感が生まれ、より高い質を伴って前に進んでいくでしょう。
野澤:一つの方向を目指すうえでは、育成する学生像をあらためて明確にすべきではないでしょうか。継承してきた教育方針と時代の要請の両方を踏まえ、どのような学生を育てて社会へ送り出すのか、もう一歩踏み込んだ議論を行う必要があると思います。
:執行部の責任は、大きなアンブレラ、つまり傘をつくることです。その下で、10の学部と14の研究科が同じ方向を向いて進んでいく。個々の手法やアプローチは当然異なりますが、我々が常に意思疎通を図りアンブレラをしっかり広げていれば、最終的に同じ目標に向かって躍進できるでしょう。そして、その核となる全体を把握し調整する役割を、統括副総長の池上先生に担っていただきたいと考えています。
池上:すべての取り組みは、立教大学が世の中にどう貢献していくかという点に集約されます。大学の存在意義は、あらゆる形で社会に貢献し、人類の持続と発展につなげること。その使命を果たすため、担当間を横断してさまざまなテーマをコーディネートすることが私の役割です。プロジェクト間の有機的な連携を一つの幹としてまとめ、社会における立教大学の価値を高めていきたいと思います。

世界へ目を向けながら足元の課題に向き合う

池田  伸子 副総長(国際化推進担当) 池上  岳彦 副総長(統括)

(左)池田 伸子 副総長(国際化推進担当)(右)池上 岳彦 副総長(統括)

池田:大学が果たすべき責務や教育・研究の在り方を考えるとき、日本国内や日本人学生だけを基準にする時代はもはや過去のものとなりました。今後は視座を世界に移して物事を考えていかなければなりません。
大山:そのためには、教員の国際化が必要だと思います。教員自身が日本の教育に対する客観的視野を持っていなければ、斬新なアイデアも生まれてこないでしょう。立教大学に海外からも高く評価される研究・教育拠点ができれば、留学生数も自ずと増加し、大学の国際化にも貢献できるでしょう。
:ご指摘の通り、グローバルマインドはすべてに通底して求められるため、常に世界における本学の姿や担うべき役割を見据えたうえで、足元の課題に向き合っていくことが重要です。また、海外で存在感を高めるには明確なメッセージが必要で、その具現化に向けた検討も行っていきたいと思います。
池田:変革に挑むうえでの立教大学のアドバンテージは、規模が大きすぎないことです。教員同士の距離が近いからこそ、学部や研究科の垣根を超えて新しい領域を創出できる可能性を高く秘めています。だからこそ早急に着手し、効果的な形で発信していく必要があると思います。

時代の動きとリンクした学生の成長の場づくりへ

松尾:郭総長が「3つのC」として挙げられた学生の創造力豊かなチャレンジを促進するには、その実践を促す機会を積極的に用意することが重要だと考えています。例えば2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、これを学生の教育の場として捉え直すと、海外との関わり方や共生社会の在り様について考え行動する絶好のチャンスになります。こうした機会を社会と連動した形で至る所に設ければ、良い教育になると思います。
:ここ数年の大きなトピックで言うと、本学は今年池袋キャンパス100周年を迎え、来年は「東アジア文化都市」の国内候補都市になっている豊島区でアジア各地の文化芸術イベントが行われます。その翌年には東京オリンピック・パラリンピックが控えています。これらを単なるイベントとして終わらせるのではなく、教育の機会として効果的に生かすことができれば、常に時代の動きと立教大学の動きがリンクします。それをこの4年間続けられれば、2024年の創立150周年に向けた大きな流れをつくっていけるでしょう。
池上:東日本大震災の後、本学はさまざまな復興支援に取り組んできました。それは現地に寄り添う支援である一方で、活動の成果を広く世の中に還元するための教育・研究の場にもなっています。目の前にある数々の題材をどう生かしていくのか、実効性のあるビジョンを描きながら進めていきます。
本日は、これから立教大学が取り組むべき多くの課題・方向性が伝わってきました。本学はすべてにおいて風通しがよく、人に働き掛けやすい大学です。郭総長のリーダーシップの下、多方面で改革を推し進めて立教の新たな基盤を築くとともに、社会における使命を果たしていきたいと考えています。
(2018年3月)

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