陸前高田市の隠れた魅力 ’hidden gems’ を探り、発信する

渡邉 英瑠さん(文学部文学科英米文学専修1年次)

2019/10/11

RIKKYO GLOBAL

OVERVIEW

「陸前高田プロジェクト」は、東日本大震災の被災地である岩手県陸前高田市復興支援に寄与していくことを目的とするプログラムです。今回は、メンバーとして活動した、渡邉英瑠さん(文学部文学科英米文学専修1年次)に話をうかがいました。

「陸前高田プロジェクト」は、東日本大震災の被災地である岩手県陸前高田市でフィールドワーク(4泊5日)を行い、同市の現状を共有した上で課題に取り組み、陸前高田市の復興支援に寄与していくことを目的とする課題基盤型学習(PBL:Project-based Learning)プログラムです。2013年度からパイロット授業としてスタートしたこの授業に、本年度は13名の立教大学生に加え、2015年度から継続して共同参加しているスタンフォード大学等の学生5名、2018年度から参加している香港大学の学生2名、更に本年度から新たに加わったシンガポール国立大学の学生1名が参加し、より国際色豊かな環境でのプログラム実施となりました。

渡邉さん(写真中央)

今年度は、「陸前高田市の隠れた魅力 ’hidden gems’ を探り、発信する」課題に取り組みました。メンバーは大学混合の5チームに分かれ、2チームはローカル(市民)目線を切り口に、2チームはビジター(訪問者)目線を切り口にhidden gemsを探し、Instagramへ見つけた魅力/宝物の投稿を行っていきました。ローカル目線チーム2組はそれぞれ”未来の観光客の獲得”/”文化の発信”をチームテーマに掲げ、ビジター目線チームはそれぞれ”メッセージ性を打ち出す”/”陸前高田市を表す一言形容詞と印象的なストーリの発信”をチームテーマとしました。残る1チームは最終日に陸前高田の方々との交流会を企画実施しました。
現地研修では、市内視察を行ったり民泊を体験したり、市長や市民の方々からのお話をうかがったり、と震災当時や市の近況について肌で感じ深く考える機会をいただきました。
現地研修最終日の9月9日(月)にはグローバルキャンパスにて市関係者および市民の方々へ活動報告を実施。翌日10日(火)には、立教大学で成果報告会を行いました。

今回は、ローカル目線チームのメンバーとして活動した、渡邉英瑠さん(文学部文学科英米文学専修1年次)に話をうかがいました。

渡邉さんのチームの活動の概要を教えてください。

私たちのグループは地元の方々の視点からプログラム中に撮影した写真をチームで選択し、コメントと共にInstagramに投稿しました。チームのテーマは“文化の発信”としました。それは、文化は様々な要素が複雑に絡み合っており、グループのメンバー一人ひとりもまた異なる文化的背景を持っているため、それぞれの観点から陸前高田に根差す隠された文化を探りたいと考えたからです。

海外からの大学生と共にプログラムに参加したことで感じたことを教えてください

このプログラムを通して陸前高田について海外の学生と共に議論し、学びあえたことに大きな意味があったと感じています。チーム内で活動する時も、海外の学生と話をしていると私とは全く異なる視点から面白いアイデアを出してくれました。様々な視点を持つ学生同士が、一つの目標に向かって意見をぶつけ合う中で、よりお互いを深く知り、文化を超えた交流ができたと思います。

実際に現地を訪れて感じたこと、学んだことを教えてください

私は、実際に陸前高田に行く前に、吉村昭著「三陸海岸大津波」という本を読みました。その本を読んで、この周辺地域は過去にも津波の大きな被害を受けたことを知り、その被災の記録を読みました。しかし実際に、陸前高田での初日、タピック45や気仙中学校、奇跡の一本松といった震災遺構を目にしたときの衝撃は忘れられません。また、陸前高田での初日は民泊を体験させていただいたのですが、その夜拝見した震災当時の貴重な映像や復興への過程の写真、お話もとても印象に残っています。現地での5日間を通して、震災後依然として復興途上である場所、新しい街へと生まれ変わろうとしている場所など陸前高田の様々な「顔」を見てきました。そして多くの地元の方々との関わりから、彼らの、陸前高田市やそこに住む人々への強い思いが明日の陸前高田を作る原動力になっていると痛感しました。

現地研修での市内視察の様子

陸前高田グローバルキャンパス モンティホールにて。戸羽太 陸前高田市長と(写真前列左から7番目)

今回の経験を今後どのように活かしていきたいですか

今回はグローカルな課題に対して、メンバーがお互いの意見を素直にぶつけ合う中で、「相手の立場に立って考える力」を少しでも養うことができたのではないかと感じています。現在複雑な国際問題が山積していますが、私たちがこのプログラムを通して学んだ力はそのような国際問題を解決する上でも役立つ力だと考えます。まだ将来的なヴィジョンは定まっていませんが、次年度は短期海外プログラムや短期留学、そしてその後長期の留学などに挑戦していきたいと思っています。そしてこれからも陸前高田に足を運び、地元の方々との交流も継続していきたいと考えています。
公開したInstagramアカウントはこちら: @rikuzentakata_treasures

グローバル教育センターでは参加者それぞれが感じた学びをこれからも多くの人に発信していってほしいと願っています。
本プログラムの活動報告は後日グローバル教育センターホームページで公開予定ですのでぜひご覧ください。

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