自分の言葉で説明して、自分自身も学びながら、みんなで知識を共有する

テレビ朝日アナウンサー 宇賀 なつみさん

2017/07/07

立教卒業生のWork & Life

OVERVIEW

テレビ朝日アナウンサーとして幅広く活躍する宇賀なつみさんにお話を伺いました。この記事は、モルゲン11月号(2016年11月発行)の「10代の地図帳」に掲載した内容を再構成したものです。

宇賀なつみさん(30)はアナウンサーである。『宇賀ちゃん』で親しまれる、キャラクターの魅力は、柔和な物腰からにじむ親しみやすさ、そして、明るさを内包する知性だ。アルト・トーンの落ち着いた声音は、番組、コーナーごとにその表情を変える。現在は『羽鳥慎一モーニングショー』『池上彰のニュースそうだったのか!!』のアシスタントを務める愛らしき才媛に、十代の軌跡を訊いた。

———東京のお生まれですね
実は、幼稚園から高校まで、練馬の自宅から徒歩十分以内のところしか通っていないんです。本当にずっと地元で育ってきて——。その間に周囲の景色も随分様変わりしました。私たちがまだ小学生の頃は、そこかしこに畑が見えて、狸も顔を出したり……結構自然豊かなところだったんです。空き地なんかも一杯あって、友達と遊ぶ場所も沢山あった。それが今では、駅前には商業施設が立ち並び、周辺地域もマンションで埋め尽くされていますね。

———どんな少女でしたか
小さいころは好奇心旺盛な子どもでした。周りはたぶん凄くうるさかったと思います(笑い)。というのも、ちょうどその頃、両親がホームビデオを購入して。8ミリビデオで撮影された無数の古びたテープを最近になって両親は、私と妹に、と、ブルーレイディスクに焼き直しているんですが……、それを見ると、本当にもうずっと喋っているんですよ。ビデオを構える父から「なっちゃん」と声をかけられると、「今日はどこに行きました」「今これを作っています」「こっちが階段です」——なんて、とりとめもない事を一人でずっと喋ってる。当時から、人やカメラに向かって何かを話したり説明したりするのが凄く好きだったんだな、と改めて思いました。
———その頃夢中だったものは
小学校ではバレーボールとバトンをやっていて、中学校では吹奏楽部に入ったんです。いつもそうなんですが、ある程度できるようになると、すぐに新しいものがやりたくなるタイプで。高校でもやはりいろんな選択肢があったんですが、〈応援団〉という名を耳にしたとき、その響きの新しさに強く心を惹かれて。詳しく聞くと、野球部の夏の大会に『チアリーディング』の格好をして応援に行く——あっかわいい、楽しそうだな、そう直観的に思った。でも入ってみると中身は全然違って、「大きな声を出せ」と男の先輩に怒鳴られたり、フラフラになるまで練習したりと厳しい日々が待っていて(笑い)。
———当時思い出深い出来事は
応援団も、2年3年次になると、教えられる側から作る側になる。曲や振り付けを選んだり、構成を決め、衣装作成にも参加するようになった。そうなるとやっぱり楽しいんですよ。オフの時期には、有志の6人ぐらいで集まって、ダンスユニットを結成。曲や振り付けをつけてオーディションを受け、学園祭に出たりもしました。あとは、雑誌が凄く好きで……。当時あった沢山のフリーペーパーに、熱心に目を通してはスクラップ、ノートに張り付け、コメントをつけて、と、雑誌の記事っぽくしてみたり——。情報を集めて自分で再構築、発信する、というのが好きでしたね。
———大学進学の時期がきます
小学校の卒業アルバムに〈将来はアナウンサーか新聞記者になりたい〉と書いていて。中学、高校でも空いた時間を見つけては雑誌を作ったりしていた。そういう中で、なんとなく、ざっくり、マスコミ関係には行きたいな、というのはありましたね。だから、受けるなら社会学部とかマスコミ関係の学部——と考えていると、高校の先生が、社会学だったら立教がいいよ、と教えてくれて。

———大学ではどんな学びを
ひとくちに〈社会学〉と言っても凄くリーチが広くて……。どんなものでも〈社会〉と捉えれば社会ですからね。私はもともと〈倫理〉や〈哲学〉といった自分の頭で考え、最終的に答えの出難いものが好きだったんです。大学ではそれをベースに、〈経済学〉や〈経営学〉などにも触れ、幅広く社会全体を見渡すような学びができた。ですから凄くバランスが取れていたと思います。それに、立教はOB、OGにマスコミ関係者が多くいて、頻繁に特別講義がひらかれるんです。講師は都度変わりますが、テレビ、出版、広告などの現場の話はいずれも興味深く、とても印象に残りました。

———アナウンサーを目指したのはいつごろ
 私は、「仕事は絶対テレビ局」、「絶対にアナウンサー」と、強く思っていたわけではないんです。というのも、勉強もそうでしたが、わりに興味の範囲が広いのと、それにたぶん、無理だろうと(笑い)。だからアナウンサースクールも通っていませんでした。就職活動も普通の大手就職サイトに登録していて。たまたまアナウンサーの採用が決まるのが早かっただけで、他業種の説明会に出たりもしていました。今振り返ると、あまり構えすぎず、自然体で受けたのが良かったのかもしれませんね。

———憧れの業界に苦労は
入社してすぐの頃は、誰も知り合いがなく、いきなり番組についたので、慣れるまでは大変でしたね。毎日生放送があるので、朝はロケに出て、夜は本番に。でも体力がついてくると、次第に、日々目まぐるしく変わる魅力的な仕事内容に、すっかり夢中になりました。  今後の目標は  今、すごくいいお仕事をさせて頂いているので、ここで中身をもっとブラッシュアップさせていきたい、というのが第一です。その先には、パネルを使ったプレゼンテーションをひとりでうまくできるようになりたい、という目標があります。与えられた台本、原稿を読むことももちろん大事ですが、自分の言葉で説明して、自分自身も学びながら、みんなで知識を共有する、ということができたら素敵だな、と思うんです。

———10代を生きている若者にアドバイスを
常日頃、いろいろなことに興味を持って、沢山の情報を吸収して欲しいですね。私自身、今も、できる限り機会を作って、映画、演芸、本などに触れています。相変わらず雑誌は好きで、週に何十誌も目を通しますし、休みの日には思い切っていろんな場所に出かけます。大人になれば当然、出会いも世界も広がりますが、子ども時代のそこでしかない景色、というのもあると思うんです。家、家族、学校……息苦しいことも多いかもしれないけど、今しかないコミュニティを最高と思って、じっくり味わって欲しいと思います。

この記事は、モルゲン11月号(2016年11月発行)の「10代の地図帳」に掲載した内容を再構成したものです。

プロフィール

PROFILE

宇賀 なつみ さん

1986年、東京都生まれ。立教大学卒業。
2009年、テレビ朝日入社。入社直後より平日夜の報道番組『報道ステーション』の気象キャスター、後にスポーツキャスターを担当。14年春からは平日朝の情報番組『グッド!モーニング』にてサブキャスターを担当。現在は平日朝の情報番組『羽鳥慎一 モーニングショー』、毎週土曜夜の『池上彰のニュースそうだったのか!!』にてアシスタントとして活躍している。

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