中高ドイツ語からの母音変化
――『イーヴェイン』で考察する二重母音化――

文学科 ドイツ文学専修 髙橋 朝子 さん

 私はゲルマン語から発展したドイツ語の変遷やその独自性に関心を持っていましたが、特に興味を持ったのは音韻の変化です。なかでも12〜16世紀頃に起きた「単母音の二重母音化」という現象は中世から現代の表記に変わる重要なポイントだと考え、卒論のテーマに選びました。指導教授から中世ドイツの宮廷叙事詩『イーヴェイン』の写本を利用した調査を薦められ、解読に挑戦しましたが、読めるようになるまで非常に時間がかかりました。当初は暗号を解読しているような気持ちでしたが、指導を受けながら少しずつ読めるようになるととても楽しくなっていきました。
 卒論執筆を通じ、自分の好きなことと真剣に向き合う機会が持て、大学4年間の自分が感じた想いをしっかりと形に残すことができました。卒論を書かなければそういった想いはいつの間にか消えてしまい、卒業後は少しドイツ語に詳しいだけの社会人になっていたかもしれません。
 これから卒論に取り組む後輩には、スケジュール管理の大切さについて伝えたいです。就職活動中は時間がない前提でスケジュールを考えるべきですし、調査にかける時間も考えなければいけません。時間のあるうちに教授に相談してやるべきことを明確にしておくことをおすすめします。