出生前診断とカトリック理論
――出生前診断に対するカトリックの姿勢から考察する
教会の教えと実態の乖離について――

キリスト教学科 土屋 和 さん

 私が卒論でこのテーマを選んだ理由は、出生前診断の結果を受けて選択的人工妊娠中絶を選ぶ人が多い現実に違和感を覚えたことに加え、カトリック教会の公式の教えと自分の倫理的判断に相違がある場合はどのようにすればよいか考えたかったからです。準備段階でカトリック教徒で出生前診断をして選択的人工妊娠中絶をした方の事例がどうしても見つからず苦労しましたが、たくさんの意見に触れることで揺れ動く自分の気持ちに向き合えたこと、様々な立場からの主張に自分は寄り添えているのかを何度も考えたことは、これから生きていくうえで様々な人の意見を理解しようという姿勢を持つことにつながると思います。
 私は「自分は大学でこんなことを学んできたんだ」と周りに言えるものが何か一つだけでもほしくて卒論執筆を決意しました。私の指導教授の梅澤先生が「キリスト教学科で卒論を書くということは『生きることをちゃんと見つめること』であり、『生きていくうえでの問いに自分なりに今の答えを出すこと』であるとおっしゃっていました。これから卒論を執筆する皆さんにもぜひそのような学びを経験していただきたいですし、卒論を通して何かを得ていただきたいなと思っています。