新しい「対話」形式としての断面
「アテネーウム断片集」を手掛かりに

文学科 ドイツ文学専修 二藤 拓人 さん

 18世紀ドイツ初期ロマン派の思想家Fr.シュレーゲルの作品『アテネーウム断片集』についての考察を卒論で行いました。このシュレーゲルの断片集に対しては、読んでいて他の短文やアフォリズム形式にない特異性を感じたため、卒論のテーマにしてみたいと考えたからです。
 断片という、一つ一つが互いに一貫性をもたずに独立して成立している諸思索に対して、一本の軸をもって論証するための視点・切り口を得るまでは、大変苦心しましたが、日本語では決して読むことができない密度と質のともなった文章に時間をかけて挑む機会を持てたこと、大学生活の集大成として納得のいく作品が残せたことには満足しています。
 卒論執筆には、夏休みをいかに有意義に過ごすかが大変重要だと思います。研究対象(作品)への素朴な感動を論文として伝えていくためにも、その軸となる論の周囲を固める文献・資料を集め、説明を尽くす作業の積み重ねが、説得力のある論につながると思います。
 今回、伝統的なアカデミズム、学術の世界の主流とは言えないものを対象にした私の論文が評価されたことは、“リベラル”な立教大学ならではのことのように思われとても光栄な気持ちです。