Passingにおける人種とセクシュアリティ

文学科 英米文学専修 小林 美香 さん

 1920年代のアメリカの小説『Passing』 (Nella Larsen著)を取り上げ、主に人種とセクシュアリティの問題に焦点を当てた作品論を書きました。もともとアメリカの人種問題に関心があったこと、また2年次に受けた文学講義でこの小説を読んで以来、より深く読み込んでみたいと考えたからです。
 テーマを決めたのが9月と遅かったため、原書と訳書、日本語文献、そして多くの英語文献を読む時間が足りず、提出直前は毎日深夜まで作業が続き精神的にも体力的にもきつい時期が続きました。しかし、実際に執筆してみて、英米文学専修の集大成として自信を持って語ることができる分野ができたこと、卒論を仕上げることによって非常に大きな達成感を得られたことは何にも代え難い経験であり、大学生活の大切な思い出の一つとなりました。今では本当に「書いてよかった!」と思っています。
 卒論制作では自主性が重んじられるため、一人で執筆を進めることに不安がある人もいるかと思いますが、指導担当の先生方は非常に熱心に指導して下さいますし、自分が興味をもって選んだテーマですから楽しさもあります。大学最後の1年間には他にやりたいことも多くあるかと思いますが、その1年を学業に集中することも大変有意義な過ごし方ですので、後輩の皆さんにも自信を持って卒論制作をおすすめしたいと思います。