Sister Carrieの語り手と作者の布置
――ジェンダーと資本主義を巡る欲望の諸相――

文学科英米文学専修 伊東 泰幸 さん

 19世紀末にアメリカで興隆した自然主義文学を代表する作家セオドア・ドライサーの『シスター・キャリー』について、作者と語り手の布置をジェンダーや資本主義と関連する欲望を鍵に検討しました。このテーマを選んだ理由は、以前から文学とは「何を語るか?」ではなく、「どう語るか?」が問題であるという議論に興味があったからです。それを4年間の学生生活においてもっとも衝撃的な読書体験であった『シスター・キャリー』を手がかりに、体系的に論じたいと考えました。
 指導の先生には、単に中身の問題点のみならず、議論の枠組み全体の構成に関してもアドバイスをいただくことができました。おかげで同じ論考でも論理展開の仕方次第で論文の質が大きく左右されることを学べました。また、執筆する上で否応なく膨大な研究資料と格闘することで、それ自体が学業の一翼を成したとも感じています。
 後輩のみなさんには、「卒論には確固たる意思と意欲を持って臨んで欲しい」とアドバイスしたいです。卒論を通して得られるものは少なくありません。 また立教大学の図書館はとても充実しているので、多くの先行研究を手にとってください。日本語文献だけでなく、英語の資料も読むように心がけると良質な論文に仕上がると思います。