一人称の感情社会学――〈私〉と音楽と社会をつなぐ――

教育学科 友田 順也 さん

 思い入れの強い音楽をもとに感情のありようを言語化し、社会学的な観点から分析しました。このテーマを選んだのは、「個人の感情体験を社会や音楽のようなサブカルチャーとの連関の中で捉えてみたい」と思ったからです。
 テーマが壮大で、実体のない感情や社会をどう扱い、関連付けるかが難しく、何度もくじけそうになりましたが、指導教授やゼミの友人のアドバイスが励みになりました。執筆を通して、一個人の悩みや不安というネガティブな感情は、社会に強く影響を受けていると気づくこともできました。私は中学・高校とくよくよしがちな性格だったのですが、できればこの卒論を当時の自分に見せて、「ひとりじゃない、大丈夫だよ」と声を掛けてあげたいです。
 卒論のテーマは、日常のいたるところに潜んでいます。実は私のテーマ選定も、友人があるアイドルのプロモーションビデオを見ていたときに発した一言で、「感情労働」という概念を知ったことがきっかけでした。問題関心のアンテナを張っていると、おもしろいテーマにめぐり会えることがあります。みなさんも、まずは自分の周りに目を向けてみてください。