史学科:超域文化学専修
あらたな視点から人類文化誌を学ぶ。
時の流れ・地域の広がり・心性の傾向を見渡します
あたらしい観点から世界を見る
現代社会では人の移動も、情報の交換も、文化の変動もめまぐるしくなっている、といわれます。いや、このような様相は、現代社会だけでなく、私たちが生活しているこの人類社会では、地域的にも歴史的も広く見られた、ともいえます。人類の文化と社会が、変化が多く、多様であるならば、1つの視点だけで社会や人間の全体像を見ることはできません。超域文化学専修では、日本史専修、世界史専修の通時的なものの見方と連動しつつ、歴史学以外の方法も自在に取り入れて、あらたな観点から人間社会を理解することを目指します。人類文化誌を理解するための複数の観点を知り、それらを見渡すことができるような力を、この専修で鍛えていきます。
人文科学的な視点から
あらたな観点とは、(1)文化の基層部分に注目し、(2)相対的な視点で、(3)現代社会との関連から事象を見ようとするものです。
(1)文化の基層部分とは、民族、慣習、社会制度、言語、技術などです。これは、たとえば国家や社会ができる以前から存在し、現在でも人びとの生活の多くの部分を特徴づけています。
(2)この基層部分は、時代的にも地域的にも、あるいは個人によっても大きく異なっていますが、一方では意外に広い共通性を持っていたりします。注目する点に応じて人間社会はさまざまに異なる様相を示すことを知り、複数の視点、枠組みを柔軟に使用することを学びます。
(3) (1)の基層部分への注目と(2)の相対的な視点は、私たちが生きている現代社会でさらに必要になっていく力でしょう。現代社会を知るために、時を越えて継続したり、時とは異なる変化軸を持っている事象にも注目して行きます。
これらの観点も基本は、個別の人間に注目することから発します。均一の人間で構成される社会ではなく、個別の違いをもった人間がいることを前提にした視点を大事にします。個人やミクロの社会への共感を経て、想像力と思考力でよりマクロの社会や時代に迫っていく手法を大事にします。この広い意味での人文科学の方法を大事にしています。
専門をつなぐ授業の中から
スタッフはそれぞれ、以下のような専門をもって教育にあたります。それぞれのスタッフの授業を受講することで、個別の領域を深めると同時に、これらをつなぐ思考を育てていきます。さらには、異なる専門を持つスタッフが共同した合同の研究会などで相互に議論しあう機会も設けます。これらが人類文化誌をトータルに理解していくための複眼的で柔軟な視点を育てていくことにつながります。
アメリカ社会史アメリカ社会は多文化や文化の流入・流出が著しい地域の象徴です。多文化をめぐる問題を取り扱います。
イスラーム複合社会巨大な文明と歴史を築いているイスラーム社会と文化を、それと関係する周囲の歴史と文化の中で学びます。
文化人類学無文字社会やいわゆる未開社会から、いわゆる先進国まで含めた多くの文化を相対的にあつかう視点を学びます。
地域研究論地域と個人はどのように関係し、個人の中で地域はどのように捉えられているのか、ミクロからマクロまでの枠を自在に扱います。
文化環境学環境と個人、あるいは環境と人類との接し方を、人間の側から学びます。
教員からひとこと
栗田和明 教授
文化は高等宗教から悪態のつきかたまでを含んだ大きな概念です。奇異に見える風習にも機能的な意味があります。また、近年商業上の必要で創られた「伝統」もあります。異なる考えや生活を知るだけでなく、それにどう対応するか、十分に想像力を働かせてみましょう。たとえば、兄弟が一夫多妻の風習をもつ地域の人と結婚する場合、自分はどのように対応できるでしょうか。(アフリカ:文化人類学)
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