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学長メッセージ

「学ぶことの愉しさを通じて多様な可能性を開く」

立教セカンドステージ大学学長 吉岡知哉

立教セカンドステージ大学にようこそ。
 わたしたちはみなさんを心から歓迎いたします。

立教セカンドステージ大学は、年齢50歳以上という資格制限を設けたユニークな生涯学習機関です。その目的は、「学び直し」と「再チャレンジ」をサポートすることにありますが、背景には人間の知的活動についての理念が存在しています。

ここに集う人々は、既に半世紀以上の人生経験を積んでいます。これまでの生活を通じて、自分が関わってきたことがらについては、自分なりの知識と思想を有しています。また、後輩や部下を育てる経験も積んでいることでしょう。
立教セカンドステージ大学の重要な役割は、このように積み重ねてきた知識と経験とを、これまでとは異なる視点から再びとらえ直すという点にあります。自分が現在身につけている知識と経験が、どのようなプロセスを経て血肉化されてきたのかを辿り直し、それがもっている意味を考え直すのです。

学生時代の教養教育が技術やものの考え方を学ぶ基礎作りであるのに対して、ここでの教養教育は既に身につけた知識や経験を、自分自身を超えたより広い文脈、つまり人間と社会の中に、そして過去と未来とのあいだに位置づけ直すためのものです。それによって、それらが有機的に結びつけられることになります。その成果を社会に還元する方法も見いだされていくでしょう。

知識や経験を積み重ねる過程を意識的に辿り直し、その根拠を探っていく作業。このことが重要なのは、その過程が、人間の知的活動そのものについての反省のプロセスであると同時に、一人ひとりが「自分はなにものであるか」と問うていく過程でもあるからです。
古代ギリシアのデルフォイの神殿には「汝自身を知れ」という語が掲げられていたと言います。人間にとって最も本質的で普遍的な課題は自分自身を知ることにほかなりません。

多種多様な経験を持った人々が一つ所で学び、意見を交え、共に考えるとき、深い他者理解を伴う出会いが生まれます。50年の人生をあらためて言葉に置き直し、新たな可能性を築いていく。立教セカンドステージ大学には純粋なよろこびが溢れています。

立教セカンドステージ大学学長(立教大学総長) 吉岡 知哉


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