
社会学部長 間々田 孝夫
立教大学社会学部は1958年に設立された、日本でもっとも古い歴史をもつ社会学部の一つであります。
社会学部は、文学部、法学部、経済学部など他の文科系学部と違って、必ずしも知名度が高いとは言えず、どんなことを勉強する学部なのか、としばしば疑問をもたれます。しかし、個別の研究・教育テーマ、たとえば、家族、高齢社会、地域社会、民族問題、環境問題、マスコミ、ネット社会などを挙げれば、多くの方 は理解していただけることでしょう。そして社会学部は、こういった諸分野について幅広く研究・教育するだけでなく、現代の社会について総合的に分析し、将来の社会を構想するという性格ももっています。
現代の社会は、高度成長と豊かさという目標が優勢であった時代から、社会の多様な要求に個別に対応していかなければならない時代へと変化しています。このような時代の趨勢とともに、社会学部の存在意義はますます強まっています。立教大学では、社会学部が母体となり、あるいは協力して作り出した学部は観光 学部、コミュニティ福祉学部、経営学部の3つに及びます。また、それらが分離独立した後には、現代文化学科、メディア社会学科の2学科が新設されました。これら2学科および最も歴史の古い社会学科への受験者数は、いずれも堅調であり、本学部がいかによく時代の要請に応えているかを物語っています。
本学部では、複雑化する現代社会の中にさまざまな問題を発見し、分析し、その上で適切な提言をなすことができる学生を育てます。そのために、数多くの講義 科目を配置し、演習科目を重視し、社会調査法など、分析手法に関する科目も充実させています。そして、4年間の学習をまとめる卒業論文についても、多くの学生が履修できるよう配慮しています。
本学部が育てようとしているのは、実用的な専門知識を身につけた人間ではなく、視野の広い、高度の判断力をもった人間であります。資格や専門職的知識がもてはやされているように思えますが、現代の企業社会が求めているのは、実は、変化の激しい社会に対応できる幅広い見識を持った人材です。本学部の教育目標 は、そのような社会的要請によく見合ったものといえます。
本学部では、社会の要請に応えるべくこれまで絶え間なく教育内容の見直し作業を行ってきました。2012年度からは、3学科間の履修の制約を減らし、現代社会の変化に対応した科目を増強する新カリキュラムを実施します(2012年度入学者から)。どうか保護者のみなさまには、引き続きご理解とご支援をお願い申し上げます。