
立教大学第19代総長
吉岡 知哉
保護者のみなさま、常日頃から立教大学の教育研究の発展に向けて、ご理解、ご協力を賜り、まことにありがとうございます。
昨年は誰もが、これまで経験したことのない状況のなかに置かれることになりました。立教大学も3月11日の震災当日はもとより、その後も余震や計画停電のなか、様々な対応を迫られました。あわせて、被災学生への支援、陸前高田をはじめとする被災地支援のボランティア活動、福島大学の「東京サテライト@立教」の設置など、さまざまな支援活動を行いました。その意味で、「立教らしさ」を確認することのできた一年でもありました。
本年は落ち着いた環境の中で、新年度をスタートさせる事ができました。多くの方々のご尽力に心から感謝いたします。
学生時代には、現在の社会を生きるために必要なさまざまな知識やスキルを身につけなければなりません。しかし急速に変容する現代社会においては、目先の有用性に縛られた狭い知識や限定的なスキルは直ちに古びてしまいます。大学における教育・研究は20年、30年先を見通す長期的な展望を持たなければなりません。私たちは、最先端の研究と結びついた質の高い教育を通じて柔軟で強靭な思考力を育てるために、不断の努力を続けています。
また、グローバル化が進行する中で、多様性への対応力が何よりも求められています。本学の交換留学制度や海外研修制度は、単なる語学力の向上のためではなく、他者を理解し自分を知るというコミュニケーションのための基礎力をつけるために設計されています。
もとより、学生生活における学びは授業に限られるものではありません。この秋、池袋キャンパスに最新機能を備え、収蔵能力200万冊、座席数1500席の大型図書館が開館します。個人席以外にもグループ学習スペースやリフレッシュルームを備えた図書館は、4月にオープンした(仮称)新座図書館ラーニングコモンズとともに、学習と研究のための環境を格段に充実させるに違いありません。また、体育会活動をはじめとする課外活動、ボランティア等の課外教育のための条件整備も、学生の全人格的な成長を支えるという視点から着実に進めています。
保護者のみなさまには、伝統を踏まえた本学の先進的な試みにぜひ注目し、ご支援をいただきたいと願っています。