
法学部長 佐々木 卓也
昨年は3月11日に起きた未曾有の震災のために、立教大学の卒業式、入学式は中止を余儀なくされました。「東日本大震災」の発生から一年が過ぎましたが、今もなお多くの方々が被害に苦しみ、被災地が復旧、再建の途上にあります。ここで改めて、被災された皆様に衷心よりお見舞い申し上げるとともに、失われた貴い命に哀悼の意を表します。
立教大学では今年春、卒業式と入学式を無事とりおこなうことができました。新学期も4月初旬に予定通りスタートしています。昨年春の状況を振り返れば、卒業生を送り出し、入学生を迎える式を無事敢行でき、4月よりすぐに勉学に励む環境を享受できることを素直に喜びたいと思います。この間、保護者の皆様の暖かいご理解とご協力がありましたことに、厚く御礼申し上げます。
さて、立教大学法学部は1959年に産声をあげて以来、戦後日本における新しい法学部の一つとして、活力溢れる教育体制を整え、常に時代の最先端を視野にとり入れた研究と教育に邁進してきました。現在、日本の大学における法学・政治学教育は大きな転換期を迎えています。押し寄せるグローバル化の潮流の中で、主権国家体系は揺らぎ、法や政治のあり方は根本的な変容を余儀なくされています。また、ロースクールの設置で、学部における法学教育も見直しが求められています。以前とは比較にならないほどのスピードで変化し、多様化・複雑化する世界に対応するためには、実際的な専門能力の涵養が緊急な課題であることはいうまでもありません。しかし、それと同時に、このような時代であるからこそ、視野を広げ、論理的思索を重ねる基礎教育の重要性はむしろ高まっているともいえます。特に「東日本大震災」は、今までの日本社会のあり方を根本的に問い直す契機となりました。まさに、今こそ、常にも増して、将来を見通した思索を深めることが求められているといえましょう。立教大学法学部は、良き伝統を継承し、少人数教育にこだわりつづけ、論理的な思考能力を鍛えるべく法学・政治学教育の基本をより一層強化していきます。