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大学生の社会的・職業的自立に向けた教養教育の在り方(2010年10月26日開催)

2010.12.21

近年、大学生の多様化や厳しい雇用状況等を背景に、大学における学習と職業生活との接続が喫緊の検討課題となっています。産業界からの、社会人や職業人としての基礎能力を大学で身につけさせて欲しいという要請も強くある中で、大学として、どのような教育を提供しているのか、その在り方が切実に問われるようになってきているのです。
そこで、教養教育の重要性に鑑み、大学生に社会的・職業的自立を促す教養教育をどのように行っていくべきか、その在り方を共に探究することを目的として、本シンポジウムを開催いたしました。学外からの参加者も含め、47名の教職員・学生の皆さまにお越しいただきました。
前半部では、藤田英典氏に、日本学術会議「21世紀の教養と教養教育」報告書と質保証の在り方検討委員会第二部の基本的内容、またご自身の見解も交えてご講演いただきました。現在社会の構造変容から生じてきた大学教育の課題、グローバル化や知識基盤の変容にともなう市民社会の課題、それによって問い直されることになった知と教養の在り方について、網羅的な解説がなされました。そして、市民的教養と社会的・職業的自立を育む教養教育が担う役割として、学生が自分の座標軸を形成するための支援を行うことの重要性が提示されました。
続く後半部において、指定討論者の渡辺三枝子氏は、初中等教育におけるキャリア教育の意味や、キャリア教育がアメリカで生じた背景、その言葉の成り立ちについて解説されながら、大学が単に就業対策としてキャリア教育を行うことの弊害を指摘されました。その上で、大学におけるキャリア教育を、学生が多様な視座を学び、自立して自分の視座を獲得し、視座の違う人間と共に協働して社会を築いていくための土台づくりという意味で生かしていくことを提起されました。また、専門教育においてキャリア教育の在り方を考えていくことの重要性についてもご指摘いただきました。 
同じく指定討論者の松本茂氏は、教養教育の意義が、自分の発想がある一つの価値観や文化に左右されていることに気づき、それらから解き放たれることにあると指摘されました。そして、その上で「○○力」育成のためのカリキュラムを作成し、これをゴールとして学生を育てていくことは、教養教育の発展にとってマイナスではないかという問題提起をされました。さらに、教養教育をコアとし、「専門性に立つ教養人の育成」を目標とする本学のカリキュラムが、キャリア教育において果たしうる役割についてご提示いただきました。
今回のシンポジウムは、教養教育だけでなく、専門教育も含めた大学教育全体の在り方を、大学生の自立という観点から改めて捉え直していく、考えていく場となりました。ご登壇いただきました藤田先生、渡辺先生、松本先生をはじめ、ご参加くださいました全ての皆さまに心より御礼申し上げます。

プログラム

講演「大学生の社会的・職業的自立に向けた教養教育の在り方」

藤田 英典 氏(文学部教授)

指定討論

渡辺 三枝子 氏(ビジネスデザイン研究科教授、総長室調査役)
松本  茂  氏(大学教育開発・支援センター 副センター長、経営学部教授)

ディスカッション

司 会

小川 有美 氏(大学教育開発・支援センター センター員、法学部教授)

藤田 英典 氏

渡辺 三枝子 氏

松本 茂 氏

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